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離婚理由の性格の不一致とは具体的に何?それぞれの離婚理由にみる離婚の実態

三浦 希枝

三浦 希枝K.Miura

目次

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1:男性と女性の離婚理由は異なる?

リクルートが運営しているブライダル総研が発表した「離婚に関する調査」によると、離婚理由として最も多いものは、「価値観の違い」でした。

また男女の離婚理由を比べてみると、男性に比べて女性は「家事に非協力的」「育児に協力的でない」「(相手の)借金」の割合が高いのが特徴的で、この3項目に関しては男性との違いが大きく出たところでした。

家庭での男性の振る舞いに対することに女性は不満を感じやすく、それが原因で離婚へと発展する可能性が高いということがうかがえます。

 

 2:統計にみる離婚理由5つ

同調査による離婚理由を個別にみていきましょう。離婚理由の中で多いものについて、筆者の考えも織り交ぜながら解説していきます。

(1)育児に非協力的

ふたりで望んで生まれた子どもの育児。それに対して、夫がまったく協力してくれない、理解しようともしないような状況に陥ってしまうと、妻の不満は一気に高まります。

いわゆる「ワンオペ育児」というのは、家事と育児すべてを妻が背負ってしまう状況。それを男性が「当たり前のこと」なんて思ってしまうと、離婚を考える女性が続出してしまうのも無理のない話です。

子どもが生後間もない場合は、寝る時間もちゃんと取れず、常に気が張ったような状態。そんな毎日を過ごしていると、数時間でもひとりで眠る時間が欲しいと思うほどに、精神的に疲弊してしまうこともあります。

そんなときに夫がミルクをつくって子どもに飲ませたり、オムツを取り替えてくれたりするだけでも、妻の気持ちはだいぶ救われるもの。逆に、まったく無関心な夫を目の当たりしてしまうと、失望してしまうのでしょう。

(2)夫婦の会話がない

自分の気持ちの波を会話することで発散したり、気持ちの共有をすることでパートナーと心を通わせている人も多いのではないでしょうか。夫婦の会話が減ると必然的にそのコミュニケーションが不足し、お互いの意思疎通がうまくいかない可能性が出てきます。

またお互いの家族の話だったり、これから先のライフプランなど、夫婦間であっても言葉で伝えないとわからないことはたくさんあります。そんな些細なところからすれ違いが生まれ、相手との心の距離が大きく開いてしまうのです。

(3)時間のすれ違い

共働きが当たり前になっている今の時代、夫婦の時間のすれ違いも離婚理由として多く挙げられています。

結局のところ、お互いを好きで、一緒にいたいと思ったから結婚したはずなのに逆に一緒にいる時間が少なくなり、会話をする時間さえない……なんていう夫婦もいるようです。

このような状態になると、相手の気持ちがわからなくなりますし自分ばかりが我慢しているような気持ちにもなってしまいます。

この場合もやはり、コミュニケーション不足が離婚の原因に関係していると言えるでしょう。

(4)価値観の違い

離婚理由としては馴染みのある言葉ですが、ある意味、さまざまな離婚理由を集約したような言葉だと筆者は思っています。

なので、一概にコレ!というものでもないですが、例えば夫がとても大切にしている模型を妻が掃除中に壊してしまった……。もちろん謝るけれど、妻にとっては、夫がなぜ気持ちを引きずる意味がわからない。

これも価値観の違いといえるでしょう

相手にとってさほど重要でないことでも、自分にとっては大切なこと。それを理解してもらえないもどかしさが不満へとつながってしまうのです。

(5)取り返しがつかない借金

夫や妻の借金が発覚すると、パートナーの信用も結婚生活も失うことになりかねません。なので、お金の問題はたいていバレないように、隠すパターンが多いようです。

そこで嘘を重ねるため、信用を失いやすいというのも大きく関わってくるようです。金銭問題はただでさえデリケート。その中でも借金は真実を知ったパートナーに精神的ダメージも与えますし、一回借金をすると、繰り返してしまう可能性が高いですから、そういった状況から離婚につながりやすいのでしょう。

 

3:離婚理由といえば性格の不一致!具体的には何が不一致なの?5つ

離婚理由といば「性格の不一致」もよく聞く言葉。ですが、言葉としては漠然とした印象ですよね。実際はどのようなことについて、このように表現するのでしょうか。

ここでは、夫婦間で具体的に何が一致しなかったのかをご紹介していきましょう。

(1)相手の意見を受け入れられない

結婚生活で大切なことは夫婦の意見のすり合わせ。相手の性格を受け入れる気持ちがなければ、一緒に過ごす結婚生活が苦痛になってしまいます。

円満に結婚生活を送る夫婦のほとんどが、結婚をしてから「お互いの性格を理解する」ように努力しているので、妥協する部分やゆずれない部分を共有して話し合っているでしょう。

しかしお互い、または一方が相手の意見にまったく耳を傾けない状況だと、ケンカばかりが増えて離婚に踏み切ることになるのではないでしょうか。

(2)収入に対する考え方の違い

女性は子育てが始まると育児休暇を取得したり、仕事を辞めて一定期間家庭に入ったりするものです。

しかしその間、仕事をしていない点を夫に責められるケースもあるのだそう。逆に、妻が夫の収入に不満を抱いていることも、離婚を考える原因になるそうです。

お金を稼ぐために、夫が残業を頑張っていたとしても、それが妻からすると“家庭を顧みない”という不満に変わってしまうこともあります。そんな収入に対する考え方の違いから、離婚を考える人も少なくないようです。

(3)パートナーに肉体的・精神的苦痛を与えられたとき

パートナーと性格や性質が合わないがために、それが肉体的・精神的な暴力行為に及んでしまうことも。そこに苦しんだ末に別れるということになるようです。

感情が抑えられずに爆発してしまう……という行為自体に問題があるケースも多いと思いますが、性格の不一致からケンカが絶えず、無意識に“ヒステリー”な行動に発展してしまうこともあるでしょう。

(4)義理の両親との仲について認識の違い

義理の両親との関係をうまく理解し合えていないと、離婚を具体的に考える要素になるのだそう。特に夫が、自分の両親と妻との仲をとくに気を払わずに、当事者である妻に任せきりにしてしまうという話も聞きます。

そうしたとき、仲を取り持ってくれなかったり、立場が異なったときに妻ばかりに負担を押しつける夫を見ると、妻のほうには不満が溜まり、離婚へと発展する場合があります。

(5)子育てに関する教育方針の違い

子どもがいれば、将来のことを考えるほど、教育に熱が入ることもあるでしょう。

そんなとき、夫婦の教育方針がズレていると、それがケンカを生み別れを考えるようになることもあるようです。

また子どもの教育にあまりにも無関心で、どちらか一方に任せきりな行動も、離婚を招く可能性があるでしょう。

 

4:それぞれの離婚理由エピソード

離婚の理由は夫婦によってさまざまな問題があるもの。ではどんな瞬間に「離婚をしよう」と決意したのか、その理由について、ここでは何人かに体験談を語ってもらいました。

(1)夫が生活費を入れてくれなくなったとき

「私が離婚を決めたきっかけは夫が生活費を家庭に入れてくれなくなったことでした。

当時、私は専業主婦で子育て中。夫の収入で家計をやりくりしていたため、なんとか渡された額で収まるようにしていましたが、やはりオーバーしてしまう月もありました。

そんなときは決まって“どうして渡したお金で生活ができないのか”と、まるで私が浪費をしているかのような言い方。生活費を渡さないと脅されたりすることも増え、自分で自分を責める日々がつらくなりました。話し合いをもってもらえなかったので、離婚を決意しました」(40代女性/医療事務)

(2)隠れてギャンブルをしていたのが発覚したとき

「夫がギャンブル好きなのを知っていて結婚したのですが、結婚後は自分のおこづかいの範囲内でうまくやりくりしているようなので、特に気に留めていませんでした。

しかしあるとき、夫が私に隠れてギャンブルのために借金をしていたことが発覚。しかも1か所からだけではなく、複数の金融会社から借りていたようで、金額も大きかったんです。

嘘をつかれていたことも、借金をつくっていたことも許せなくて……。相手は改心すると言っていましたが、信用できず離婚を決意しました」(30代女性/販売)

(3)セックスを拒否されるようになって

「一生一緒にいたいと思って結婚したはずなのですが、うちの場合、奥さんが結婚してからは夫婦生活を拒否するように。それからお互いの心の距離も開いてしまいました。

もちろん相手のことを好きだから誘っているのですが、誘うと不機嫌になったり、汚いものを見るような目で見られたり……。正直それがいちばんキツかったか。局話し合いをする機会もなく、離婚に踏み切りましたね」(30代男性/会社員)

(4)モラハラで心身ともに疲弊

「元旦那は自分の気にくわないことがあると、急に私の存在を無視してきました。

こちらが話しかけてたり、謝ったりしても、とにかく無視。気持ちが収まったころ、不機嫌そうに相手をし始めるといった様子でした。最初のころは“私が悪いことをしてしまったんだ”と思っていましたが、だんだんとおかしいのは彼のほうなのかも……と思うようになり、離婚も辞さない覚悟で改善を試みました。

結局、話し合いをしてもわかり合えずに離婚……。私の周りは元旦那のことをモラハラだと言っていたし、離れた今となっては、私もそうだったと思えますね」(20代女性/会社員)

(5)嘘に嘘を重ねられた

「妻の度重なる嘘に、信じることができなくなって離婚しました。

うちは子どもはなく共働きだったのですが、残業があると連絡があった日に男性とふたりで飲みに行っていたり、本当は休日だったのに仕事と嘘をついて友人と出かけていたり……。そんな小さな嘘から大きい嘘まで、たくさん裏切られてきました。

何度も嘘をつかれるうちに、妻のことが信用できなくなってしまい離婚することにしました。回避するために話し合いを何度も持ちかけられましたが、修復がきかなかったです」(30代男性/サービス業)

 

5:離婚の理由は子どもに言うべき?

離婚を決めたとき、子どもがいたらまず考えるのは、その事実をどう伝えるかですよね。

「子どもが20歳になるまでは離婚しない」というような考えの人も多くいますが、親同士の仲が悪い雰囲気を子どもは敏感に感じ取っているもの。険悪なムードのまま家族が続くのであれば、いっそのこと離婚をしてほしいと考えている子どもも決して少なくありません。

そして離婚の理由については、子どもからは聞きづらいもの。親から正直に話してくれた方がどうして離婚することになったのかを受け止めやすいという意見もありました。

たとえその理由が傷つく内容であったとしても、正直に話したほうが、親のことを嫌いにならなくて済むという意見も。離婚理由を隠さずに話してあげることが、子どもの精神衛生上いいことなのかもしれませんね。

 

6:理由がないのに離婚したいってあり得る!?

確たる理由がないけれど、離婚をしたい……そんな気持ちを感じる人もいるようです。なぜ、そのような気持ちになってしまうのか、そこにもやはり関係しているのは「性格の不一致」や「価値観の違い」でしょう

「モラハラ」や「借金」などの決定的な理由でなくても、なんとなく一緒に生活をしていて気持ちよく過ごせない、相手との距離感がよくわからない……長く付き合って結婚したとしても、そう感じることだってあります。

ちなみに、理由がなければ離婚ができないのか……といえば、そんなことはありません。

もし明確な理由がないとしても、相手の同意が得られれば離婚することは可能です。しかし、やはり理由がなければスムーズに離婚に応じてはくれない場合が多いのも事実。理由を探すことや離婚をしたいという意思表示をしっかり示すことが離婚をしやすくなるポイントだと言えます。

 

7:性格の不一致をはじめ、夫婦にはさまざまな問題があるんです

離婚の理由がハッキリしていれば、裁判や話し合いで離婚に向けて気持ちも進んでいくことができます。ですが、理由が曖昧だと離婚をするのに手間取ってしまうことがあるかも……。

とはいっても離婚理由でトップになっている性格の不一致は、細かな理由が重なったもの。ある一定期間悩み、周りの離婚経験者のアドバイスなどを経て別れを決断するのではないでしょうか。

婚姻は書面にサインをするだけの印象でも、離婚となると離婚届にサインするまでにいくつもの段階を踏まなければたどりつけません。もし離婚に踏み切るのであれば、離婚までのステップや別れたあとの生活を想像して、しっかり準備をしておくことが大切でしょう。

 

【参考】

ブライダル総研 離婚に関する調査 – 株式会社リクルートマーケティングパートナーズ