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「一助」の意味や使い方は?ビジネスでも使える例文や同じ意味を表す類語

松田優

松田優Y.Matsuda

目次

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1:「一助」とは?

日常的な会話の中では、「一助」という言葉を使う機会は少ないかもしれませんが、ビジネスシーンではわりと頻繁に使われます。まずは、その意味や例文をチェックしましょう。

(1)一助の意味

まずは「一助」の意味から見ていきましょう。

一助(読み)イチジョ

わずかばかりの助け。少しの足し。「家計の一助とする」「理解の一助とする」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

例えば、服を買いに行くと店員さんが接客してくれますが、その際のアドバイスがまさに「一助」にあたります。また、クラウドファンディングの情報などを拡散する第三者の再投稿なども「一助」にあたりますね。

ちなみに、実際には大きな助けであっても、謙遜の意味を込めて「一助」と表現する場合もあります。

(2)一助の対義語

「一助」は「助ける、助けになる」という意味でした。そのため、反対の意味を示す対義語は「邪魔をする、妨害する」という意味の「妨げ」や、「勢いを削いで弱らせる、抑える」という意味の「挫(くじ)く」などが該当します。

また、円滑にことを運ぶに反するという意味合いでは、「進行、行動を邪魔して遅らせる」という意味をもつ「遮る」も、対義語と考えられそうです。

(3)一助を英語で言うと?

「一助」は主に「aid」と英訳され、例えば「It will serve as an aid to social progress.(それは社会の進歩の一助となるでしょう)」のように使われます。

また、「一助となる」は、「be helpful」「be of some help」でも表現することができて、「I am happy if it helps you.(あなたの一助となれば幸いです)」のようにも使用されます。

2:ビジネスシーンで使える「一助」の例文5つ

では実際にどのように使えば良いのか、例文を5つ挙げて見てみましょう。

(1)一助とする

「収集した資料を、システム開発の一助とする」「数値的な裏付けの一助とするためにアンケート調査を行う」「頂戴したご意見は、商品の更なる改良の一助といたします」のように、「〇〇を△△の一助とする」「△△のために〇〇を一助とする」という形で使用します。

「進行中の物事を推し進めるための助けとして」という意味合いで使用すると良いでしょう。

(2)一助を担う

「復興の一助を担うべく、微力ではありますが寄付を募っております」「SNS運用におけるプロモーションが、知名度と売上アップの一助を担ったものです」のように使用します。

こういったケースは、言葉こそ「一助」ではありますが、比較的大きな影響があるイメージではないでしょうか。例文では、謙虚さを感じさせながらも、寄付やSNS運用が与える影響の大きさをアピールしていますね。

(3)一助として

「地域活性の一助として、体験型観光プランの企画を行っています」「ビジネスマナー講習も、新人教育の一助としたいと考えます」のように「〇〇の一助として△△を行う」という文脈で使用できます。

ある物事を進めていくうえで、いくつかの補助プランがあるような場合や、さらに別の何かを盛り込みたいときなどに使うと良いでしょう。

(4)一助にすぎない

「先にご提案した内容は、構想の実現のほんの一助にすぎません」「ほんの一助にすぎませんが、こども食堂の運営費用を出資しました」のように「〇〇は△△の一助にすぎない」という形でも使用できます。

「これ以外にも、まだ他に助けとなる案がありますよ」ということを伝える前段階などで使用できます。少し期待を含ませた言い方になりますね。

(5)一助となれば

「こちらでの経験が、今後の貴殿の活動の一助となれば幸いです」「わずかばかりではありますが、進展の一助となればと存じます」などのように、謙遜を表すのに使われることが多い言い回しです。

手を差し伸べた側からの謙遜の意味合いを込めて「小さな助け」と言いますが、実際には、とても大きな助けである場合もあります。

3:「一助」を表す類語の意味と使い方

「一助」が文脈的に使いづらいような場合には、どのように言い換えられるでしょうか。置き換えられそうな類語を、3つご紹介します。

(1)援助

「援助」は「助けること」「困っている人に力を貸すこと」「助勢」という意味です。心理学的には、「困っている相手に配慮し、自己犠牲を覚悟の上で相手が喜ぶような恩恵を、助ける側の自由意志で提供すること」というような意味があります。

「人に援助を求める」「援助を申し出る」というように使用できます。また、先に紹介した英語表現の「aid」の意味は「援助」とされますので、類語の中でもより近い意味合いで使用できそうです。

(2)助力

「助力」は「他の人の進めている仕事や活動などに力を貸すこと」「手助け」「力を貸すこと」「加勢」などという意味があります。「一助」に比べるとやや強く、直接的な印象がありますね。

自分自身が他者を助ける際には「助力を惜しまない」「金銭面から助力する」というように使います。逆に相手に手助けを頼みたいときは「ご助力をお願いしたい」などというように使用します。

(3)貢献

「貢献」は「ある物事や社会のために役立つよう尽力すること」「何かのために力を尽くして寄与すること」という意味を持ちます。「尽力」「力を尽くす」という意味が含まれるので、「一助」よりも強い意味合いになるかと思います。

「学会の発展に貢献する」「経済の発展に貢献する仕事がしたい」「彼の科学的貢献の偉大なことを保証した」のように使います。

4:まとめ

大げさな支えではなく「ほんの少し支えに」といった意味合いの「一助」。奥ゆかしさも感じさせ、うまく使えばとても良い印象をもたれる言葉です。「一助」という言葉を使いこなすために、この記事が意味や使い方を理解する一助となれば幸いです。