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「かしこまりました」の意味は?「かしこまりました」を使ったメールの例文

松田優

松田優Y.Matsuda

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目次

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1:「かしこまりました」の意味は?

「かしこまりました」は「かしこまる」という動詞を使った言い回しです。会話の中では自然に使いこなすことができても、本来の意味となると説明に困るのではないでしょうか。

(1)「かしこまりました」は何の敬語?意味と英語での言い方

「かしこまりました」をより正しく使うためにも、まずは「かしこまる」の意味から調べてみましょう。

かしこまる【畏まる】の解説

1 身分の高い人、目上の人の前などで、おそれ敬う気持ちを表して謹んだ態度をとる。

2 謹みの気持ちを表し堅苦しく姿勢を正して座る。正座する。

3 命令・依頼などを謹んで承る意を表す。承りました。

4 堅苦しい感じがする。窮屈である。

5 恐縮して感謝する。

6 わびを言う。言いわけをする。

7 謹慎する。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「かしこまる」の意味はたくさんもありますが、会話の中で登場する場合は、「3」の「命令・依頼などを謹んで承る意を表す」という意味で使われることが一般的です。

「かしこまる」という言葉自体がまさに「かしこまった」印象のある敬語ですが、簡単にいうと「わかった」ということ。相手の意思や要望を受け入れるという意味の言葉です。

英語には単語だけで敬意を表する表現はありませんが、「I got it.(わかった)」と言うよりも「I understand.(理解しました)」と言ったほうが、丁寧な印象になるでしょう。

(2)「かしこまりました」を漢字で「畏まりました」と書くのはあり?

「かしこまりました」を漢字で書く場合は「畏まりました」となりますすが、実際にはあまり浸透していないかもしれません。というのも、「かしこまりました」という言い回し自体が会話での受け答えの中で使われることが多く、文章上で使用することが少ない傾向にあるからです。

もちろん間違いではありませんが、読みやすい文章を書くという意味でいえば、漢字ではなく平仮名で書いておくほうが無難でしょう。

(3)「かしこまりました」と「承りました」の違いは?

どちらを使えばいいのか迷うことも多いふたつの言葉ですが、意味としては大きな違いはありません。ほとんどの文章で置き換えることが可能です。

強いていうなら「かしこまりました」は「わかった」の敬語であるのに対し、「承る」は「受け入れる」の敬語であることから「わかった」より一歩踏み込んだ印象を与える表現といえます。とはいえ、どちらを選ぶかはケースバイケース。文脈に応じて臨機応変に使い分けていけば、問題ないでしょう。

2:「承りました」や「かしこまりました」を使ったメールの例文3つ

(1)「かしこまりました。それでは明日お伺いします」

「かしこまりました」を会話の中で使う場合は、「わかりました」の代わりの返事として使うことができますが、メール文では後に文章を続けるのが自然です。

相手の要望を受け入れるとき、スケジュールを確認したとき……文章の最初に「かしこまりました」とひとこと添えることで、ぐんと丁寧さはアップ。素っ気ない印象になりがちなメール文でも、相手への配慮を表すことができますね。

(2)「○○の件、承りました」

「承りました」は「かしこまりました」とほぼ同じ意味で使うことのできる言葉なので、この文面も「○○の件、かしこまりました」と置き換えることができます。

間違えがちなのが、読みが同じ「受け賜わる」という言葉。「承る」は用件に対して使われますが、一方の「受け賜わる」は物品を受け取ったことに対して使うものなので注意が必要です。

(3)「かしこまりました。確かに○○の件について検討させて頂きます」

「かしこまりました」をさらに強調したい場合、「確かに」という言葉を一緒に使うことで、真摯に受け止めていることが相手に伝わりやすくなるでしょう。

相手の反応をすぐに見ることができないからこそ、メールではさまざまな言葉を駆使して、最大限、丁寧な対応を心がけたいところ。他にも「間違いなく」や「必ず」など、文章を崩さず強調できる表現をいくつか覚えておくと役立ちます。

3:「承知いたしました」は二重敬語?実は間違っている敬語5つ

「承知いたしました」という言葉は二重敬語だから間違っている……と言われたことはありませんか? この「承知いたしました」をはじめ、間違っているかもしれない、よく使われている敬語を5つ紹介します。

(1)「承知いたしました」は二重敬語?

結論からいうと、「承知いたしました」は二重敬語ではありません。「承る」と同じ漢字が使われているため紛らわしいのですが、「承知する」という言葉自体は敬語ではないため、「いたしました」という謙譲語と一緒に使っても問題ないのです。

一方の「承る」は謙譲語なので、例えば「お承りました」という表現は二重敬語となり、敬語として成立しません。

(2)「メールを御覧になられましたか?」

メールでよくある二重敬語の間違い文といえば、「見る」の尊敬語である「御覧になる」に「○○られる」という尊敬語をつけてしまうパターン。この文章を正しく治すと「メールを御覧になりましたか?」となります。丁寧な文章を作りたい気持ちはわかりますが、やみくもに敬語を重ねるのは、かえって失礼になってしまうのです。

(3)自社の人間に敬称はつけない

自分の上司や先輩のことを伝える場合、つい「○○部長」「○○さん」と敬称をつけてしまいがちですが、これはNGマナー。自社の人間は、たとえ経営者であっても呼び捨てが基本です。

これはメール文の中でも同じルール。どうしても呼び捨てがしにくい場合は「部長の○○」「社長の○○」など、先に役職名をつけると表現が和らぎ、相手にとってもわかりやすくなるでしょう。

(4)「了解いたしました」は目上の人に使うことができる?

「かしこまりました」や「承りました」などと同じく、了承を表す言葉として頻繁に使われる「了解」という言葉。「了解」を目上の人に使ってよいか迷った経験は、誰しもあるはず。

言葉の意味から考えると失礼にあたるわけではないのですが、「目上の人から下の人に対して使う」「気安い仲でのみ使う」という風潮が定着しつつあるのも事実。言語は時代によって変化していくものです。最近の傾向に合わせて、あえて目上の人に使わずともよい、といえるかもしれません。

(5)「渡した資料を持ってきてほしい」と伝えたいとき

よくある表現として「ご持参ください」というものがありますが、そもそも「持参する」という言葉は謙譲語。敬うべき相手に使うものではないのです。この場合はシンプルに「お渡しした資料をお持ちください」でOK。

尊敬語=難しい表現とは限りません。よく見かける表現だからと鵜呑みにせず、違和感を感じたら調べてみる癖をつけておけば、徐々に正しい敬語が身に付くはずです。

4:使いにくい敬語もさらっとスマートに

社会に出るまでは滅多に口にすることがなかったぶん、敬語を使いこなすまでには時間がかかるかもの。慣れるためには自分から積極的に取り入れていくのがいちばんです。

難しい表現もさらっとスマートに使いこなせる人は素敵ですよね。正しく敬語を使って、社会人としてさらにレベルアップしちゃいましょう!