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「取り急ぎご連絡まで」はマナー違反?正しい使い方と類語

松田優

松田優Y.Matsuda

目次

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1:「取り急ぎご連絡まで」の意味とは?

「取り急ぎ」は「とりあえず急いで」という意味。主に手紙やメールなどで使われる表現です。「何をおいても、まずは急ぎ連絡をします」という意味で使われています。

つまりこれは「本来はきちんと礼節をわきまえた上、改めてご連絡するべきところを、一旦は要件だけで失礼いたします」という意味が込められています。

2:どんなときに使うの?「取り急ぎご連絡まで」が使える場面・例文3つ

「とりあえず急ぎで伝えるべきことを連絡する」ときに使う表現が、「取り急ぎご連絡まで」。では実際に、どんな場面で使えるのか、例文を交えて見てみましょう。

(1)日程などの変更があったとき

部署内の小さな会議や取引先との打ち合わせ、出張に使う交通機関の時間変更など、前日や当日になってからの細かな時間変更はよくあること。よくあるとはいえ、共有のカレンダーを書き換えるだけでは気づかない人もいるでしょう。

「〇〇日△時から予定されておりました打ち合わせですが、□時からに変更となっております。取り急ぎご連絡まで」のように、まずは変更があったことを伝える場面で使用できます。

(2)資料や荷物等を受け取ったとき

資料や書類、荷物などを受け取った際に、一刻も早く受領した旨をお知らせしたいときにも使用します。

「本日、お送りいただいた〇〇を拝受いたしました。お忙しい中でご対応いただき、誠にありがとうございます。取り急ぎご連絡まで」というふうに、お礼もあわせて添えるとベター。

相手も、きちんと届けられているのかどうか、不安に思っていることもあるでしょう。簡単な連絡であっても、相手を安心させてあげることができます。

(3)予定外の対応が発生したとき

部署内の自分以外が離席しているときや、客先で担当外のことを質問されたときなど、本来の担当者や上長に、自分のした対応を報告するため使うケースも。

「〇〇について急ぎの問い合わせがあったため、判断が可能だった点については以下のとおり回答しております。不明点につきましては□□さん宛にご連絡いただくようお伝えしております。取り急ぎご連絡まで」のように、簡潔に状況を伝えるときにも使うことができます。

3:目上の人や取引先の使用はマナー違反になることも…

急ぎの連絡に便利な「取り急ぎご連絡まで」という表現ですが、目上の人や取引先、自分との関係が遠い上司や先輩に使うのは控えるのが無難です。

なぜなら、「取り急ぎ」の意味を思い出してみましょう。「取り急ぎ=とりあえず急いで」という意味でしたね。「まず差し当たって、一応、間に合わせの処置として」というような意味です。

さらに、「~~まで」と最後まで締めずに文章が途切れたような印象をもたれることもあるので、自分より上の立場の人に使うのは失礼にあたる場合があります。

急ぎであり、致し方ないこととお互いに認識できる間柄の上司や先輩であれば使っても問題のない表現です。しかし、相手との関係性に悩む場合は、別の表現に言い換えたほうがいいでしょう。

4:「取り急ぎご連絡まで」を丁寧に言い換える表現3つ

では失礼にあたらない言い方にするにはどのように表現すればいいのでしょうか。「取り急ぎご連絡まで」を丁寧に言い換える表現を、3つご紹介します。

(1)まずはご連絡のみで失礼いたします。

「取り急ぎ」を「まずは」に換えることで、文の中から「とりあえず」を取り除きます。伴って、突然の連絡であったことに対しての唐突感もなくすことができるでしょう。また、半端に途切れたような印象を与えかねなかった「~まで」という語尾を、「失礼いたします」と言い切ることで、フォーマルな形にすることができます。

(2)まずはご連絡を申し上げます。

こちらも冒頭の「取り急ぎ」を「まずは」に置き換えて、語尾を「申し上げます」と締めくくることで、丁寧な表現に言い換えられるものです。「先日ご注文いただきましたお品が入荷いたしましたので、まずはご連絡を申し上げます」「このたび弊部の態勢の変更に伴い、担当者も〇〇に変更となりました。まずはご連絡申し上げます」のように使います。

(3)用件のみで恐縮ですが、ご確認のほどお願いいたします。

表現が大きく変わりますが、表している意味は「取り急ぎご連絡まで」とほとんど同じです。平たくいうと「申し訳ないですが、用件だけ連絡するから認識しておいてください」という意味です。

「恐縮」という言葉は、日ごろあまり多く使うものではありませんが、こちらの「申し訳ない気持ち」をよく演出してくれる言葉です。堅い印象もあるので、目上の人にも安心して使うことができます。

5:「取り急ぎご連絡まで」を英語で言うと?

「取り急ぎご連絡まで」を英語で表現すると「This is a quick note to tell you…」「This is just a quick note.」などになります。直訳することは難しいですが、さまざまな表現方法がありそうです。

文末に書き添える表現としては「I will let you know when I have more information.(詳細はわかり次第、追ってご報告します)」なども使えるでしょう。

6:まとめ

便利に使っていた「取り急ぎご報告まで」という表現。自分よりも立場が上の相手に使う場合は注意が必要なようですね。

失礼のない表現に言い換えるなどしながら、適切なタイミングで連絡がとれると、社会人としてとてもスマートでしょう。