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姑娘(クーニャン)とは?意味や使い方と類義語
松田優Y.Matsuda
1:姑娘(クーニャン)とは?意味と使い方
日常生活ではあまり聞き馴染みのない言葉である「姑娘」。初めて聞いた人も多いのではないでしょうか。まずは語句の意味を知るところから始めてみましょう。
(1)姑娘(クーニャン)の意味は?
姑娘の意味を辞書で調べてみました。
クーニャン【姑娘】 の解説
《中国語》若い未婚の女性。娘。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
クーニャンとは、中国語で「若い未婚女性」のこと。日本語でいう「お嬢さん」「娘さん」と似たニュアンスで使われる言葉です。
(2)姑娘(クーニャン)の使い方
姑娘は、文中や会話のなかで「お嬢さん」といいたいときに使われる言葉です。姑娘と似た意味を持つ「小姐」という言葉もありますが、姑娘は自分自身の娘という意味で使うことができるのに対して、小姐は使うことができない、という点が大きな違いといえるでしょう。
また、「小」「大」をつけて「小姑娘」は「幼いお嬢さん」という意味で、「大姑娘」は「年ごろの娘、年上の娘」という使い方をすることもできます。
(3)姑娘(クーニャン)は敬称?
姑娘という言葉そのものには、敬称の意味はありません。しかし、逆に蔑視や嫌味の意味もないので、名前がわからない女性に声をかけるときなどには、気にせず使って問題ないといえます。
2:姑娘以外で覚えておきたい中国の呼称
中国旅行のときにも役に立つ、覚えておきたい中国語表現をまとめてみました。
(1)小姐(シャオジェ)
姑娘と同じく「お嬢さん」という意味の「小姐」。一時期は店員さんを呼ぶ際などに一般的に使われていたようですが、最近では「夜の仕事をしている女性」という意味合いが強くなってきたため、やや敬遠される傾向にあるとか。
(2)美女(メイニュ)
中国で名前を知らない若い女性に話し掛けなければならないとき、この「美女」を使うのが最近のスタンダード。文字どおり「きれいなお姉さん」というニュアンスがある言葉で、店員さんを呼ぶ際も、こちらを使うことが多いようです。
ちなみに、若い男性に呼びかける場合は帅哥(シュアイグァ)といい、「ハンサムなお兄さん」といったニュアンスがあります。
(3)先生・小姐/女士
中国語には、日本語でいうところの「●●さん」や「●●さま」にあたる言い回しはありません。しかし、男性と女性、そして女性の場合は年齢によって呼びかけ方を変えることもあります。
まず、男性に対しては「先生(シャンシェ)」と呼びかけることができます。日本語での先生とはもちろん意味が違っており、どちらかといえば英語の「Mr.」に近いかもしれません。
また、前述の「小姐」や「女士(ニュシ)」は女性に対して使うことのできる言葉ですが、「小姐」のほうがやや若い人向け。年配の女性に「小姐」を使うのは少し違和感があるといえそうです。
3:水木しげるの漫画や中華料理店も…日本になじみのある姑娘
実は日本にもある、身近な姑娘を探してみました。
(1)『姑娘』水木しげる
妖怪漫画のパイオニアである水木しげるさんの作品には、ご自身の戦争体験を踏まえて描かれた戦記漫画もたくさん。
そのひとつに『姑娘』という名作があります。日本軍のある部隊が山村の姑娘=若い娘を発見し、そのことから部隊の運命が予想もしなかった方向へと向かい出す……という内容。戦争がもたらす悲劇がリアルに描かれた、読み応えのある作品です。
(2)中華料理店の店名
親しみやすい印象のある「姑娘」という言葉。どこかで聞き覚えがある……と心当たりのある方は、もしかすると街で見かけた中華料理店の店名なのかも。音の響きがかわいらしく、いかにも中国語らしい発音で、それでいて日本人にも覚えやすいという点が店名に取り入れられる要因かもしれませんね。
(3)カクテルの名前
桃のリキュールをウーロン茶で割ったピーチウーロン。この定番カクテルは北海道では「クーニャン」という名で呼ばれているそう。ウーロン茶が中国っぽく、桃が若い娘さんのピチピチ感を連想させるからでしょうか。
4:中国語をもっと身近に
グローバル化がどんどん進んでいく中、日々の話題も多様化している時代です。中国語に限らず外国の言葉を学ぶことは、自分磨きはもちろん、ちょっとした話題作りにも役に立つはず。「你好=ニーハオ」以外の中国語は知らなかったという人も、この機会に新たな知識を広げてみてはいかがでしょうか。