恋のなやみに効くメディア

世帯主とは?パターン別にみる世帯主の決め方と世帯主を変更するタイミング

水野 文也

水野 文也F.Mizuno

目次

隠す

1:世帯主とは?世帯主を確認する方法

 まずは「世帯主」を解説する前に、「世帯」という言葉の意味についておさらいをしましょう。「世帯」の意味を辞書で調べてみると下記の通りです。

「世帯」(せたい)

住居および生計を同じくする者の集まり

出典:デジタル大辞泉(小学館)

つまり、「世帯主」とは生計をひとつにしている人たちの代表者。夫婦二人なら、夫か妻のいずれか、一人暮らしであれば、自分自身が世帯主になります。

世帯主を明確に確認できるのは住民票です。その筆頭者が世帯主。社会生活を送るうえで、住民票の提出が求められることが多いでしょう。自分単独ではなく世帯全員が求められるケースでは、所在地を確認するだけではなく、世帯主のほか、生計状況を確かめる意味合いもあります。

ここで明確に区別したいのは、戸籍の筆頭者との違いです。戸籍は親子、兄弟、夫婦など身分関係を示すことを証明するもの。つまり、戸籍の筆頭者が家族の代表者を示す一方、世帯主は生活における代表者とみていいでしょう。

2:夫婦や一人暮らしなどパターン別にみる世帯主の決め方

(1)行政上の手続きを考える

世帯主を決めるとき、夫婦ほか家族全員で誰にするか、家族における行政上の手続きをきっちりと考えることが重要です。

最近の例としては、国民一人あたり10万円が支給された定額給付金。これは各自に配られたのではなく、世帯の代表者、つまり世帯主にまとめて支払われました。選挙の投票券など行政関係の配布物は世帯主宛てに送られるので、その点を考慮します。

(2)夫婦の場合は収入を考慮する

上記の行政手続きで重要なのが、義務となっている国民健康保険税の納税義務や国民年金の納付。共働き夫婦で会社の社会保険や厚生年金などは会社経由で行いますが、会社を辞めた、あるいはフリーで仕事をしている場合は、世帯主が支払うことになっています。

社会的な慣例で「世帯主=夫」というイメージが強いものの、法律上ではどちらが世帯主でも構いません。なので収入を基準に考えるのがいいかも。勤務先の住宅手当、家賃補助は世帯主に支給されるのが一般的なため、共働きで妻が勤める会社の福利厚生制度が格段に充実している場合、妻を世帯主にしたほうが、おトクとなる可能性もあります。

(3)夫婦それぞれが世帯主にあるのもアリ?

夫婦がそれぞれ経済的に自立し、生計を別にしていれば、同じ家に住んで、フツーに夫婦生活を送っていても、それぞれが独立して世帯主になることも可能です。ただしトータルでは、扶養控除の適用がないなど支給総額が増えることもありうるので、よほどのメリットがない限り避けたほうが無難でしょう。

また、自治体によっては、夫婦の世帯分離を認めていない場合もあります。これは、行政上の義務について責任分散させないことが理由として考えられるでしょう。

(4)一人暮らしでも世帯主

一人暮らしの場合、自動的に自分が世帯主になります。上述した行政上の手続きや義務のためで、逃れることはできません。

3:結婚以外にも…世帯主を変更するタイミング3つ

(1)引っ越し

環境の変化となる引っ越しはきっかけになります。例えば、妻の会社の社宅に引っ越す、となった場合は、何かと妻が世帯主のほうが便利な可能性が高く、変更したほうがいいかもしれません。

(2)世帯主の退職や失業

よくあるのは、夫か妻のいずれかが単身赴任になった場合の世帯分離です。世帯主が退職や失業してパートナーのシングルインカムになった場合は、保険そのほかの支払いを考慮し、世帯主を変更することがおすすめです。

(3)世帯主の高齢化

この例で考えられるのは、結婚を契機に夫婦いずれかの実家に親と同居。親がそのまま世帯主になっているケースです。高齢になると、行政義務を果たせなくなることもあるので、その場合、変更しておいたほうがいいでしょう。

4:世帯主でも扶養に入れる?税金対策は?世帯主が関係する重要な事項3つ

(1)世帯主の扶養は難しい

世帯主は生活をともにする人の代表者で、健康保険などの支払いの義務を負うと記しました。夫婦で夫と妻がそれぞれ世帯主になることは可能ですが、こうした支払いの義務を考えると、余分に払うことが考えられます。

以上の点を考慮すると、世帯主を扶養家族にするのは難しいでしょう。行政上の納付義務は世帯主にあることを覚えておく必要があります。

(2)「二世帯」の場合は工夫を!

納付義務などを考慮すれば、収入がポイントになることが理解できます。そこで一般的にありえるケースを探ると、親と同居の「二世帯」で、親の収入が大きな場合、その親を世帯主にして子ども夫婦を扶養家族にすれば、所得税、住民税を減らすことが可能。若いうちは、収入も少ないので、親が現役世代で裕福な場合、見栄を張らずに扶養に入れてもらいましょう。

もちろん、子どもの収入が多ければ、逆のケースとなります。一方、事実婚の場合は、「夫(未届)」、「妻(未届)」、あるいは「同居人」として記して、これによって同一世帯であることを強調できます。

5:まとめ

世帯主に関してはケースバイケースで、いろんな決め方があるといっていいでしょう。この手のものは、自分の家族においてどうすればベストかを考えることが、いちばん大切だと筆者は考えます。