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「心ばかりの」ってちょっと?それとも最大限?正しい意味と使い方の注意点を解説

大山奏

大山奏K.Ohyama

目次

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1:「心ばかりの」の意味は?

(1)意味

「心ばかりの」の正しい意味を辞書で調べてみると下記のとおりです。

こころ‐ばかり【心▽許り】

わずかに心の一部を表したものであること。贈り物をするときなどに謙遜していう語。副詞的にも用いる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

心ばかりの品というのは、自分が相手に贈り物をするときに使います。「ほんの気持ちです」という意味なので、高価な贈り物をするときなどには適していません。

またこれは、謙遜した表現なので、部下や目下の人に向かっては使えません。

(2)類語

類語には、「つまらない物ですが」や「寸志(すんし)」があります。ほかにも、「ほんの気持ちですが」や、「ささやかながら」なども類語として使えます。

2:「心ばかりの」を使える場面5つ

「心ばかりの」が一般的に使われる場面を見てみましょう。

(1)手土産を渡すとき

人の家に招かれたときや仕事で訪れたときなど、手土産を持参することも多いですよね。そんなときには「心ばかりの」が使えます。「心ばかりの品ですが、どうぞお納めください」などという言葉を添えて贈り物を相手に渡しましょう。

(2)香典を渡すとき

誰かが亡くなって香典を渡すときには、手紙でも手渡しでも心ばかりのと使うことが多いです。「心ばかりの香典ですが」という言い回しは覚えておくと便利でしょう。また香典の場合は、「ご霊前にお供えいただけますと幸いです」という言い方をします。

(3)お祝いを渡すとき

結婚、出産、入学、卒業など、人生の嬉しいイベントがあったときにも、贈り物を贈りますよね。そんなときにも心ばかりのをよく使います。「心ばかりの」という言葉は、はお祝いのお金などを封筒に入れて渡すときに言います。

(4)謝罪の品を渡すとき

仕事でミスをして相手に迷惑をかけてしまったときに、謝罪に行くこともあるでしょう。言葉だけの謝罪ではなく何か品物を持参すると、より相手への配慮ができます。

こんなときにも、謝罪の言葉を述べたあと、「お詫びの気持ちとして心ばかりではございますが、どうぞお受け取りください」などと言いながら渡します。

(5)ゲストに料理を用意したとき

相手を家に招く場合、簡単な料理を振る舞うこともあります。そんなときには、「心ばかりですが料理をご用意いたしましたので、召し上がってください」などと言って振る舞います。

また事前に手紙などで招待するのなら、「心ばかりですが、料理を用意してお待ちしております」などと書いておくと丁寧です。

3:「心ばかりの」贈り物をするときの言い方5つ

(1)「心ばかりの品ですが、どうぞお納めください」

基本的な使い方としては、「心ばかりの品ですが、どうぞお納めください」を覚えておけばOK。「お納めください」の代わりに「ご笑納(しょうのう)ください」なども使えます。

(2)「心ばかりですが、皆様で召し上がってください」

贈り物がお菓子などの食べ物の場合は、「心ばかりですが、皆様で召し上がってください」という表現ができます。ほかにも、「お気に召してくだされば幸いです」や「お口に合うとよいのですが」など、場面や相手に応じて使い分けてみてください。

(3)「心ばかりの品ですが、お祝いの気持ちを込めて贈らせていただきます」

お祝いの品を贈るときの手紙などの表現は、「心ばかりの品ですが、お祝いの気持ちを込めて贈らせていただきます」など。文章の最初には、何のお祝いなのかわかるように、「ご結婚おめでとうございます」「ご出産おめでとうございます」と一文つけるのがマナーです。

(4)「お礼のしるしに…」

何かをしてもらったお礼には、「お礼のしるしに、心ばかりの贈り物を差し上げたいと存じます」が使えます。

(5)「日ごろの感謝を込めて、心ばかりの贈り物です」

日ごろお世話になっている人への贈り物にも、「心ばかりの」を使うことが多々あります。「日ごろの感謝を込めて」や「平素よりお世話になっております」などと一緒に使うことが多いです。

また、「今後とも末永いお付き合いをよろしくお願いいたします」などの一文をあとに添えることもできます。

4:「心ばかりの」を使うときの注意点3つ

(1)悪い印象を与えることもある

心ばかりのは自分を謙遜して使う言葉ですが、相手によってはあまりいい印象を受けないことがあります。謙遜しすぎると、かえって失礼になる場合もあるということもお忘れなく。

(2)高価すぎるものには使えない

高価なものを贈りたいときには、心ばかりのを使うべきではありません。具体的には、1万円以上になったら心ばかりとは言わないほうがいいでしょう。

(3)目上には「心ばかりの」、目下には「寸志」

「心ばかりの」は熨斗(のし)にも書くことがある言葉。しかし、相手が目上か目下かによって言葉遣いが変わります。目上の人に贈るものには「心ばかりの」を使い、目下の相手に贈るものには「寸志」と書くのが一般的です。

6:「心ばかりの」の正しい使い方をマスターしよう!

謙遜は日本人の美徳と言われます。ただ、マナーが多すぎて正しく使えないという人もいるでしょう。今回の「心ばかりの」はあらゆるシーンで使いやすい言葉なので、ぜひマスターしてみてくださいね。