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今一番熱い!「裁判傍聴デート」を面白くする10の方法【後編】

吉田奈美

吉田奈美

昨日の【前編】に続き、近年注目の『裁判傍聴デート』を面白くするための方法、残り5つをご紹介します。

 

目次

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■6:カップルはわいせつ系の事件を避ける

罪状に『わいせつ』とついている事件は、かなりエグい内容になることが多く、女性の中には聞いていて嫌悪感を抱く人がいるようです。性的描写(しかもめっちゃ丁寧な表現になる)もガンガン登場しますしね。

自分もよく見に行くので“棚に上げて発言”になってしまいますが、わいせつ系事件の傍聴席の熱気は他の事件の比じゃないくらいムンムンと凄まじく、おそらく傍聴初心者の女のコだとドン引きすること必至。カップルだとその後のふたりの関係に悪影響を及ぼしかねないので、避けるのが無難です。

 

■7:被告人の様子や証言内容をメモしながら見る

法廷内には基本的には荷物持込OKです(傍聴券交付事件では荷物を預けます。しかし筆記用具の持ち込みはOK)。また録音は禁止ですが、メモをとるのは自由。

ただそのまま聞き流すように傍聴するより、傍聴内容をメモしながら見ると、より内容が頭に入ってきますし、また『あれ? さっきの証言と矛盾している。これは……そういうことだったのか!』とメモを振り返り、心の中で名探偵になれたりもします。もちろん法廷の様子を絵に描いて、法廷スケッチ画家ごっこもできます。

傍聴後にお互いのメモを見ながら裁判を振り返れば、会話も弾みますしね。

 

■8:お昼は裁判所内の食堂で取る

たいていの裁判所には、食堂があります(地域によってはない場合も)。お昼どきはぜひ裁判所内の食堂に行ってみてください。

そこにはたくさんの裁判官や検察官や弁護人、また保釈中の被告人やその家族など、たくさんの関係者がおり、『超オフレコ』な危険すぎる会話を聞けちゃったりも……!

 

■9:「つまらない」と思った場合はすぐに退席する

私がよく『この裁判は面白かった』と裁判ネタを記事にしたり人に話したりするもので、それをきっかけに実際に裁判傍聴に行く知り合いがいますが、たまに「あなたが言うような面白い事件には遭遇できなかったよ。裁判って本当に面白いの?」とガッカリする人がいます。

それに対する答えは本当に面白い裁判と本当につまらない裁判の割合は3:7(私個人の意見です)。裁判は当たりハズレが非常に大きいので、本当に面白い裁判を引き当てるには、とにかく数を見ることが大事。あとは見ていくうちに『法廷表』を見るだけで、なんとなく匂ってくるのを感じることができるようになってきます。

また法廷内は開廷後も出入り自由なので、見ていて「これはつまらない、退屈だ」と感じたらすぐに退席して、別の裁判を見に行ってください。

 

■10:重い事件は精神的ダメージが大きいので注意

どんなに小さな事件だろうと、被告人や被害者の人生の岐路に立ち会うわけで、それなりの重みを毎回感じることになります。

特に事件が『殺人』の場合、もうそれは凄まじい重みです。ですので罪状『殺人』の裁判を見る際には、それなりの覚悟をもって行ってください。カップルでデート傍聴であれば、避けたほうがいいと思います。感受性が強い人だと、裁判後情緒が不安定になったりしますので、その後楽しく食事でも、という気分にはなれないと思うので。

ただ、被害者遺族の証言や被告人の証言などの『生の声』を聞くことは、人生観に大きな影響を与える貴重な経験となる場合もありますので、興味のある方はどうぞ。

 

数年前に私がある通り魔殺人事件の裁判を追っていたときのことです。最初は被告人に対し憎悪の気持ちを爆発させて、極刑を何度も何度も裁判官に訴えていた娘さんを奪われた父親が、数年にわたる裁判ののち、判決ひとつ前の裁判で被告人宛てに『手紙』を朗読(弁護人が代読)したのです。

その手紙には『君のことを毎日憎み、私の人生を賭けて憎み続けていた。だけれど裁判で君の話を聞くうちに、その気持ちが徐々に揺らぎ、今は気持ちを奮い立たせないと憎みきることができなくなっている。自分でもなぜそういう感情になったかはわからない。もちろん今でも君が憎い。でも君にはこれからも生きていてほしいと思う』と書かれていました。

こういった人間の心の痛みや感情の複雑さに触れ、『感じたり』『考えたり』することも裁判傍聴の醍醐味なのではないでしょうか。

 

前編、後編にわたり10の裁判傍聴を面白くする方法をご紹介しましたがいかがでしたか? 行ってみたくなりましたか!?

さてさて裁判傍聴後にも楽しみがあるんです。もしも東京地裁なら、帰りは近くにある弁護士会館地下の書店に寄ってみるとマニアックな裁判や犯罪がらみの書籍が充実していて面白いですよ。

また5分10分も歩けば、日比谷公園や皇居にたどりつきます。

今は桜がちょうど見ごろです。裁判傍聴後、お花見でデートを締めてみてはいかがでしょうか? ほら、気づけばランチ代以外、1円もお金がかかっていませんよ!

 

【参考】

※ 吉田奈美(2010)『裁判所は究極の愛憎劇場!恋愛saiban傍聴記』 主婦の友社