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素直と言われる人の特徴と短所|なれない原因となる方法も解説

松田優

松田優Y.Matsuda

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目次

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1:素直とは?

素直とは、いったいどのような意味なのでしょうか。あわせて類義語、対義語も調べてみました。

(1)素直の意味は?

す‐なお〔‐なほ〕【素直】[形動][文][ナリ]

1 ありのままで、飾り気のないさま。素朴。

2 性質・態度などが、穏やかでひねくれていないさま。従順。「素直な性格」「素直に答える」

3 物の形などが、まっすぐで、ねじ曲がっていないさま。「素直な髪の毛」

4 技芸などにくせのないさま。「素直な字を書く」

5 物事が支障なく、すんなり進行するさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「素」のまま「真っ直ぐ」と書きますが、読んで字のとおりと捉えて間違いないようです。

(2)素直の類義語は?

素直の類義語には「柔順」「温順」があり、「穏やかで人に逆らわないさま」という共通した意味をもちます。

それぞれの語の使い分けは、以下のとおりです。

1「素直」は、物事や人の話などをそのまままっすぐに受け取ったり受け入れたりするさまや、性格などがひねくれたりしていないさま。

2「柔順」は、性格的におとなしく逆らわないこと。「従順」とも書く。

3「温順」は、性格の穏やかさ、人に逆らわない性格であるさま。

4「素直」には、「素直な字を書く」「素直な文章」のように、曲がったりゆがんだりしていないさま、癖のないさまの意もある。

5「温順」は、「温順な風土」のように、気候や地勢が穏やかなさまの意でも使われる。

出典:類語例解辞典(小学館)

(3)素直の対義語は?

「素直」には複数の用例があるため、それぞれに応じた対義語が存在しています。

「他人の言うことを、逆らわずに受け入れる様子」の対義語は、「頑固」「偏屈」「意固地」「強情」「頑強」「偏狭」など。自分の考えを曲げずに押しとおす、同調しない態度をとる、考えが偏っている、非を認めずに言い張ったり居直ったりする様子を表します。

「態度や考えがまっすぐな様子」に対して、ひねくれたような態度をとるという意味で「拗ねる」も対義語にあたります。

2:素直な人の特徴5つ

では、素直な人の特徴にはどんなものがあるでしょう。5つ挙げてみました。

(1)人をすぐに信じる

自分自身が性善説で生きているため、まさか悪意をもって人を騙すような人がいるとは、夢にも思っていないところがあります。少し考えたらそのおかしさを察知できるようなことでも、引っかかりなく一旦するりと受け入れるのはそのためです。

相手の言ったことを額面どおりに真っ直ぐに受けとるため、無垢な愛らしさを感じさせるでしょう。

(2)嘘をつかない

素直な人は、思ったことが表情にくっきりと映し出されます。それはまるで、心と顔が直結しているのではないかと感じるほど。ただ純粋に、自分の気持ちに正直なため、何かを隠したり嘘をついたりするのが難しいのです。

サプライズを仕掛けるのも苦手ですが、悪意をもって人を傷つけるような嘘をつくことは、もちろんありません。

(3)差別や偏見の気持ちがない

そのままを真っ直ぐに受け止めるのが「素直」という言葉の意味でもありました。言葉のとおり、人をジャッジして理不尽を押しつけたり、偏った見方をすることなく、自分の目に映ったことを真っ直ぐに感じとります。

世間の評価や固定観念などに影響されず、余計なバイアスをもたないのは、「自分の心を信じているからこそ」と言えるでしょう。

(4)ありのままを肯定する

見たまま、聞いたまま、感じたままを受け入れるのも、素直な人の特徴です。これは性善説で生きているのと同様に、自分はありのままで生きていて受け入れられているから、人や物事も同じように受け入れようという考えからきているのでしょう。

とは言え、本人は無意識にそうしているため、批判的な見方をする人の視点の鋭さに感心しているところもあります。

(5)感情をそのまま表現できる

素直な人は感情表現もストレートな傾向が強いでしょう。喜怒哀楽をはっきりと表明します。人によく見られようとか、人からどう思われるだろうかということよりも、自分の気持ちをきちんと伝えることを大切にしていると考えられます。

しかし、はっきりと感情表現をするからといって、性格がキツいという印象を抱かせないのも特徴のひとつです。

3:素直すぎる人の短所3つ

憎めない印象の素直な人ですが、素直さが過ぎたときに表れる短所を、3つご紹介します。

(1)人に騙されやすい

物事を疑わず額面どおりに受けとるため、悪意をもって近づいてきた人に騙されやすかったり、そういった人に狙われやすかったりします。

体感していることがすべてと考えているので、その場の空気感や会話の流れなどを判断材料にしやすく、ノリで返事をしてしまうことも。本人がこれを自覚していると、冷静な視点で意見してくれる友人に相談するケースもあります。

(2)競争が苦手

勝負事には緊張感がつきものですね。素直さがすぎると、そのピリピリ感や、うまくいっていないときのぎすぎすした空気が苦手で、疲れてしまいます。

また、裏表がなく隠しごとや策略なども苦手なため、駆け引きが生じる心理戦などは、心をすり減らす大きな要素です。競争が必要でも、よりハッピーを目指して向上していく目的であれば、いきいきと活動できます。

(3)人から信頼されにくい

正直で秘密や隠しごとが苦手なのが素直な人。重大な秘密をうっかり漏らしてしまったり、誰かに問い詰められたら隠し通せなかったりするのではないかと思われてしまいがちなのも、素直な人の短所と言えるでしょう。

実際はきちんと切り分けて考えられたとしても、日ごろの様子からそのように判断されてしまうことがあります。秘密には触れないのがいちばんかもしれません。

4:素直になれない理由4つ

なりたいと思うのになかなか素直になるのは難しい、という人も。素直になれない理由を4つ見てみましょう。

(1)コンプレックスがある

自分の心に正直でありたいという思いに蓋をする要因になりがちなのが、コンプレックスの存在です。本当はありのままの自分をさらけ出して生きたいけれど、コンプレックスがあると、そんなことは許されるはずがないと考えてしまいます。

しかし、コンプレックスは目に見えません。素直に見える人も、大なり小なり何かしら抱えながら、折り合いをつけていると考えられます。

(2)騙された経験がある

かつては人に羨まれるほど素直に生きていたけれど、あるときそれにつけこまれて騙されてしまった。そんな経験をすれば、警戒心が強くなり、素直になれなくても無理はないでしょう。

信じていた性善説が覆され、悪意をもって人を騙す人がいることがわかれば、それまでのように素直でいることを躊躇してしまうのも頷けますね。

(3)素直な人を見たことがない

自分の周りに素直な人が見当たらない、ということも考えられます。身を置く環境に大きく左右されることなので、若いうちはとくに、素直な人のサンプルやロールモデルとなる人と出会えていないこともあります。

また、幼いころから親や周りの大人、友達に否定的な人が多かった場合も、素直さの発露のさせ方を知らないケースがあると考えられます。

(4)人を褒めることで損をする気がする

人を褒めることでその対象の評価が上がり、相対的に自分の評価が下がるような気がする、という意見も聞かれます。物事の価値をはかる際に、他人のモノサシを基準にしてしまっていると、まるで天秤が傾くように感じることがあるようです。

実際には、他人のいいところを認められる器の大きい人に映り、相手の評価も自分の評価も上がることがほとんどです。

5:素直になるには?方法5つ

素直になりたい気持ちを叶えるためには、どうしたらいいのでしょうか。素直になる方法を、5つご紹介します。

(1)自信をもつ

素直な人に共通しているのは、ありのままの自分を受け入れているという点です。いまの自分の気持ちも選んだ行動も、自分が受け入れているから、ほかの人の反応は気にしません。

しかしこれは、どう思われてもいいということではありません。「人には人の受け止め方がある。自分はこう」という、自分のことは自分で引き受けるという信念をもってみましょう。

(2)人のよい面を見るようにする

自分からどんどん人のよい面を見ては言葉にしていくことで、周囲にも影響を及ぼし、気持ちを素直に表現しやすい環境を作ることができます。

どんな人も、さまざまな性質をもっています。自分にとっていい人が純度100%でいい人であるとも限りませんし、その逆もまた然りです。そしてそれはもちろん、自分にも言えることです。

(3)否定の言葉をなるべく言わない

瞬発的に批判を言いたくなることもありますが、ひと呼吸おいて肯定の表現を探してみましょう。

否定されると思うと、自分の意見を飲み込んでしまいますよね。言っていることは同じでも、言葉がポジティブであるだけで受け止め方が変わってきます。お互いに意見を言いやすい環境を作るのは、自分が素直になることの助けにもなります。

(4)多様な価値観があることを認める

恋愛や結婚、人間関係、教育、物の所有など。社会でもさまざまな意見が交わされるように、友人間でも意見が分かれることはいくらでもありますよね。

誰もが唯一無二の存在であるように、それぞれが唯一無二の価値観をもって暮らしています。自分には自分の、相手には相手の価値観があるということをはっきりと認識するのも、素直さを手に入れるための重要なファクターです。

(5)謙虚を心がける

素直な人を観察していると「すごいね」「いいね」「羨ましいなあ」など、賞賛の言葉を惜しみなくかけていることに気がつきます。それは、優劣を考えずありのままを受け入れているということ。

人を羨むことをよしとしない考えもありますが、素直な人のそれは決して「ないものねだり」ではありません。自分にないものをもっている人への賞賛であり、謙虚さの表れと言えます。

6:まとめ

素直な人の特徴や短所、どうしたら素直になれるかをご紹介しました。言葉の意味がわかると、より理解が深まりますね。いまちょっと卑屈かもしれないと感じることがあったら、素直さの回復のためにこの記事を参考にしてみてください。