「刹那」の意味や使い方を知りたい！例文と似た意味で使える言葉

1：「刹那」の意味とは？

まずは「刹那」の意味を調べてみましょう。

せつな【刹那】

1．仏語。時間の最小単位。1回指を弾く間に60あるいは65の刹那があるとされる。

２．きわめて短い時間。瞬間。

出典：デジタル大辞泉（小学館）

「刹那」は、インドのサンスクリット語クシャナ（ksana）の音訳で、仏教語での時間の最小単位を表します。1回指を弾く間に、60から65の刹那があるということですから、1秒間より、ものすごく短い瞬間のことをさします。

2：「刹那」の類義語・対義語

（1）刹那の類義語

1秒よりも短く、「あっ」という間もないぐらいの時間の単位が「刹那」。ですので、同じ意味の言葉としては「瞬間」「一瞬」「またたく間」などとなるでしょう。しかし、これらの類義語より、文学的な印象が強いですよね。

（2）刹那の対義語

「刹那」の対義語としては、限りなく長い年月を表す「永劫」があげられるでしょう。「永」は永遠などにも使われ「時間が長く続くこと」で、「劫」は「きわめて長い時間」を示す仏教語です。また、いつまでも果てしなく続くことを意味する「永遠」も対義語といえます。

3：「刹那」はどんなときに使う？例文5つ

（1）刹那にときめいた

道ですれ違う瞬間に魅力を感じた異性や、車などで移動しているときに、突然目に入った美しい光景などに、一瞬で心を奪われてしまったときに使ってみましょう。刹那はロマンチックで麗しい響きがあるので、恋や美しいものに使うのがもっとも適しています。

（2）刹那に恐怖を感じた

何の前触れもなく、突然、身にふりかかった危険に対して瞬間的に感じた恐怖を伝えたいときにも使えます。「その瞬間、恐怖を感じた」というよりも、「その刹那、恐怖を感じた」といえば、一気に文学的感が増すでしょう。

（3）刹那の誘惑に負けそう

ダイエット中にデザートの誘惑に負けそうになったり、結婚している人だけどその人の魅力に負け流されてしまいそうになったり……。いけないことだとわかっていても、「一瞬だけでいいから楽しみたい」という一次的な快楽を求める心情を表しています。ちょっとステキな表現になって、ついつい自分を許しちゃいそうですが、本当はダメです。

（4）刹那的な言動

「刹那」だけだと「一瞬」のことをさしますが、「刹那的」となると意味が変わってきます。「刹那的な言動」は「一瞬の言動」ではなく、「その一瞬だけのことしか考えず、快楽的、楽観的な言動」を意味します。

（5）刹那的に生きる

「刹那的に生きる」は、「一瞬一瞬を大切に全力で生きる」という良い意味もあります。しかし（4）と同様に、「将来のことを考えず、今のこの瞬間のことだけ考えて生きる」という、その場主義的で快楽的な意味にも解釈できますので、使い方には注意しましょう。

4：「刹那」という名前の人も！込められた想いとは？

今や自分の子供に「刹那」と名付ける親は珍しくなく、男女問わずに名付けられています。男女比としては若干男子が多いよう。

「刹那」は、テレビアニメ『機動戦士ガンダム00』の「刹那・F・セイエイ」をはじめ、アニメやゲームなどのキャラクター名として使用されているので、キラキラネームやDQNネームと思われがちですが、そもそもは仏教語で時間の最小単位を表す言葉です。

「刹那」と名付けた親は、「刹那の単位まで気を配れる優しい子になってほしい」「1分1秒の全部が意味のあるような人生を送ってほしい」など、本来の意味からくる思いを、我が子に託していると考えられます。響きのかっこよさだけでなく、意味的にも素敵な名前を誇りに、胸を張って人生を歩んでいきましょう。

5：まとめ

「刹那」という言葉が、仏教語で「時間の最小単位」であることを初めて知った人も多いのではないでしょうか。「刹那」だけ使うときと「刹那的」と使うときと意味が変わってしまうことを心に留めて、この先ずっと「刹那」を大切に生きていきたいものです。