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先方とは?正しい意味と会社での使い方例文
深海雪Y.Shinkai
1:先方とは?
それでは「先方」の正しい読み方と意味を確認してみましょう。
(1)相手方とは違う?先方(せんぽう)の意味は?
「先方」を辞書で調べてみました。
せん・ぽう【先方】
1.さきの方。向こう。
2.相手方(がた)。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
距離的に「この先」という意味が最初に出てきますが、ビジネスシーンで使う「相手方」という意味もしっかり出てきました。ちなみに「相手方」の意味での逆、自分たち側のことは「当方(とうほう)」と言います。
(2)先方(さきかた)(さきがた)の意味は?
一方「先方」を「さきかた」「さきがた」と読むこともあります。
さき・かた【先方】
相手の人。相手方。せんぽう。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「さきかた」と読んだときは「せんぽう」と同じ意味になりますが、これを「さきがた」と読むと、
さき・がた【先方】
ちょっと前の時。さっき。先ほど。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「少し前のこと」というように、時間について表すことになります。読み方によって意味が違うので、メールなどの文章で使うときは注意が必要です。
2:例文付き!先方の正しい使い方5つ
それでは「相手方」の意味の「先方」は、どう使うのが正しいのでしょうか。例文とともに確認してみましょう。
(1)先方に確認する
相手に何か確認するときは「先方に確認する」、打ち合わせ時間などを連絡するときは「先方に連絡する」など、相手方に対してアクションを起こすとき「先方に〜〜する」と使います。
(2)先方の意向
前もって相手の意思を知っているとき「先方の意向から」、相手方の諸事情で何かを変更することになったとき「先方の都合により」など、相手方の意思や都合を伝えるとき「先方の〜〜」という表現します。
(3)先方と話す
相手にこちら側の意向について話すときは「先方と話す」、相手と打ち合わせをするときは「先方と打ち合わせをする」など、相手とコミュニケーションをとるとき「先方と〜〜する」と使います。
(4)先方へ出向く
打ち合わせやお詫びをするために相手方の会社へ行くときは「先方へ出向く」、先方の意向を伺うときは「先方へ打診する」と、相手方へ行ったり、相手にお伺いしたりするときは「先方へ〜〜」と使えるでしょう。
(5)先方より了承を得ている
相手からすでに了承を得ているときは「先方より了承を得ている」、またリクエストなどが届いているときは「先方から要望が届いている」など、先方から意思が伝わっていることは「先方より〜〜」や「先方から〜〜」などを使います。
3:敬語で言うと?メールでは?先方を使うときの注意点3つ
最後にビジネスシーンで「先方」を使うときの注意点を紹介します。
(1)相手がその場にいないときに使う身内の表現
いつどんなときでも、相手のことを「先方」とは表現できません。「先方」は、相手がその場にいないときに相手を表す言い方だからです。
その場にいない取引先の相手や第三者に「電話やメールをする」などの自分たち側の対応やアクションを、社内や身内だけでコミュニケーションするときのみ使われます。
(2)「先方」の敬語は「先様」
「先方」は社内や身内だけで相手方を表現するときに使うので、相手を敬おうと「様」をつけて「先方様」とする必要はありません。もしどうしても敬語表現を使いたいときは「先様」を使いましょう。
さき・さま【先様】
相手、または話題に上っている人を敬っていう語。先方様。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「先様」という言葉は、昨今あまり見聞きはしませんが、知っていて損はないでしょう。
(3)相手とのやりとりの中では「◯◯さん」「◯◯様」「御社」「貴社」
相手との会話中、またメールなどの文章で「あなた」「あなた方」と相手に伝えたい場合は、「◯◯さん」「◯◯様」「御社」「貴社」を使います。
「御社」と「貴社」は会社を敬った言い方ですが、会話では「御社」、文章では「貴社」と表現するのが適当でしょう。
4:まとめ
取引先の相手や第三者を表す「先方」は、あくまでも社内などの身内の言葉。相手と直接電話をするときや、メールの文章などで使ったりしないように注意しましょう。