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ご清栄の意味と使い方を例文つきで紹介!個人・会社宛てに使える類語表現は

深海雪

深海雪Y.Shinkai

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目次

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1:ご清栄の意味とは?

「ご清栄」は「ごせいえい」と読みます。この「ご清栄」とともに「ご清祥(ごせいしょう)」もよく使われるので、どちらも意味を確認してみましょう。

(1)ご清栄の意味

「ご清栄」の「ご」は敬語表現を表すため、「清栄」を辞書で調べてみました。

せい・えい【清栄】

清く栄えること。手紙文などで、相手の無事と繁栄を喜ぶあいさつの語。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「ご清栄」の「栄」は「繁栄」を意味し、一般的に「経済的な繁栄」を指します。会社宛てはもちろん、個人宛てにも使うことができます。

(2)ご清栄とご清祥の違い

一方「ご清祥」はどんな意味を持つのでしょうか。「清祥」を辞書で確認しました。

せい・しょう【清祥】

手紙文で、相手が健康で幸せに暮らしていることを喜ぶあいさつの語。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

意味は「清栄」とほぼ同じ。しかし「祥」は「めでたい」「さいわい」という意味があり、個人の健康や幸せを願う言葉であることから、「ご清祥」は個人に向けて使うとされています。

相手が目上でも目下でも問題なく使うことができますが、相手方が明らかに体調を崩しているのがわかっているときに使うことのないように気をつけましょう。

2:ご清栄の使い方・例文5つ

社会人として好ましい文面としては、頭語と呼ばれる「拝啓」などの言葉から始め、「新春の候」などの時候、そして「ご清栄」などを使った相手の安泰と繁栄を喜ぶあいさつ文を続けます。

さっそく「ご清栄」を使った、あいさつ文を確認してみましょう。

(1)時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

これはいちばんよく見るフレーズではないでしょうか。「時下(じか)」は、「この頃」「現在」「今のところ」を意味し、季節に関係なくいつでも使うことのできる万能な言葉です。「ますます」であとに続く「清栄」を強調し、「今よりも一層の相手の無事と繁栄を喜ぶ」といった意味になります。

(2)貴社ますますご清栄の御事とお喜び申し上げます。

相手の会社を敬う言い方「貴社」を最初につけ、「こと」を「御事」として敬う言葉を重ねることで、相手への配慮の気持ちを強め、相手方の会社の安泰と繁栄を祈るフレーズとなります。

相手の会社を敬う言い方は「御社」もありますが、こちらは話すときに使い、「貴社」は文面で使います。

(3)ますますのご清栄の段(由)お喜び申し上げます。

「こと」部分を、ある事柄をそれとさす語として使われる「段(だん)」や物事の内容や事の趣旨を意味する「由(よし)」を使った言い方です。「こと」を使っているときより、少しだけかしこまった印象を与えることができるでしょう。

(4)ますますご清栄のことと大慶に存じます。

「大きなよろこび」「この上なくめでたいこと」を意味する「大慶(たいけい)」を使った言い方です。「大慶」を使うと非常にかしこまった表現になります。相手方へ最大の配慮を示したいとき、自分が相手方の安泰と繁栄を非常に喜ばしく思っていることを伝えたいときに使いましょう。

(5)今後とも、ますますのご清栄をお祈り申し上げます。

こちらは文末に結びの言葉として使うときの言い方です。文末にこのフレーズを使うときは、文頭のあいさつでは「平素は格別のお引き立てにあずかり、心より感謝いたしております」などのように「清栄」を使わないフレーズを使い、意味が重ならないようにしましょう。

3:会社宛てに使えるご清栄の類語表現5つ

「ご清栄」と同じ意味を持つ言葉はいろいろあります。シチュエーションに合わせて使いこなせれば、社会人としての幅が広がるはず。ここでは「ご清栄」の類語表現を見てみましょう。

(1)ご繁栄

「豊かに栄えること」「栄えて発展すること」を意味する「繁栄(はんえい)」は、文字通り、相手の商売繁盛を祈る気持ちを表します。「ご清栄」同様、会社宛てに使い、文頭に「時下」や「貴社」、「ますます」などの言葉をつけながら使ってみましょう。

(2)ご盛栄

「盛栄(せいえい)」は「商売などが盛んになること」を意味します。「繁栄」同様、商売が順調であることや栄えていることを祈る表現の言葉です。「ご清栄」と同じ読み方ですが、「ご清栄」より事業の繁盛を強く意味しているので、会社宛てに使うことが一般的です。

(3)ご隆盛

「勢いが盛んなこと」を意味する「隆盛(りゅうせい)」は、「多いに栄えて、経済的に豊かである」という意味で、家や一族、会社などの組織の繁栄を敬い喜ぶことを意味します。主に会社宛てに使いますが、家や一族の繁栄を表すこともできるので、個人宛てにも使うことができます。

(4)ご隆昌

「隆盛」と同じように「勢いが盛んなこと」を意味する「隆昌(りゅうしょう)」は、相手を褒め称えるという意味が含まれ、相手方の状況が調子のいいことを表す言葉です。相手方の会社の状況によって、使用するのに不向きな場合がありますので、使うときには注意を払いましょう。

(5)ご発展

「発展(はってん)」は、「物事の勢いなどが伸び、広がって盛んになること」を意味し、「今よりも良い方向へ進んでいく」というプラスな意味合いで縁起の良い言葉です。主に会社宛てに使いますが、個人宛にも「どんどん良くなってほしい」という気持ちを表すのに使うことができます。

4:個人宛てに使えるご清栄の類語表現3つ

先に紹介した「ご清祥」のほか、会社宛ての「ご清栄」の類語表現の中でも、個人宛てに使えるものもありますが、特に個人向けとして使われ、知っていると重宝する表現を紹介します。

(1)ご健勝

「健康で元気なことや、すこやかであること」を意味する「健勝」は、ビジネスの場面でもよく使われますが、会社全体ではなく担当者など向かい合った個人に向けて使います。

目上や目下など関係なく使うことができますが、明らかに元気がない人や体調を崩している人に使うのは不向き。その点を注意をしながら使いましょう。

(2)ご活躍

「活躍」は「めざましく活動すること」を意味し、特に転職や引っ越しなどの別れのときなどに、お礼の挨拶としても使われることが多いでしょう。

目上の人に対しても使うことができる言葉ですが、「ご活躍を期待しております」という言い回しでは、目上の相手には相応しくないので「ご活躍をお祈りしています」などのように使ってみましょう。

(3)ご多幸

「非常に幸せなこと」を意味する「多幸」は、文字通り相手が幸せであることを願う表現です。目上に対しても目下に対しても使うことができます。

ただ「ご多幸」は最初の挨拶ではなく、結びの言葉として使われます。相手の幸せを願うプラスの言葉として、「ご多幸をお祈り申し上げます」「ご多幸をお祈りしています」などと文面をしめましょう。

5:まとめ

社会人として知っておくべき「ご清栄」の意味や使い方を例文つきでご紹介しました。会社宛てに相応しい表現や個人宛てにしか使わない表現などがあり混乱してしまうかもしれませんが、場面によって使い方を決めておくといいでしょう。