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「マスト」の意味は?使い方や例文とビジネスで使われるカタカナ英語

松田優

松田優Y.Matsuda

目次

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1:マストの意味は?

ファッション雑誌でもビジネスシーンでも、あらゆる場面で使われるようになった「マスト」という言葉。「必需品」「必須」というニュアンスで用いられます。

「マスト」の語源は英語の「must」。もともとの意味合いはこのようになっています。

マスト【must】

《英語で「…せねばならない」の意の助動詞から》俗に、絶対に必要であること。欠かせないこと。また、そのさま。「マストアイテム」「マストな一品」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「必要」ではなく、「絶対に必要」というニュアンスをひと言で伝えられるため、日本でも形容詞的に、便利使いされるようになったと考えられます。

2:マストとの違いは?ベター、ベスト、ウォンツの意味

「マスト」と同じような場面で使われることが多いカタカナ英語に、「ベター」「ベスト」「ウォンツ」というものがあります。どれもビジネスシーンでは使われることが多いけど、微妙に意味が違っています。うまく使い分けましょう。

(1)ベター(better)

「ベター」を直訳するとこういう意味です。

ベター【better】

他よりよいさま。比較的よいさま。「ベストとはいえないがベターな方法」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「これがいちばん良いわけではないけれどとりあえずこれで」というニュアンスで使われます。「絶対に」を意味するマストよりも推しが弱いときに使うのが適切でしょう。

(2)ベスト(best)

「ベスト」を直訳するとこういう意味となっています。

ベスト【best】

1 最上。最良。最優秀。また、そのもの。「新製品の中ではこれがベストだ」「自己ベストの記録」

2 最善。全力。「ベストを尽くして戦う」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「マスト」の意味は「これが絶対に必要」ですが、「ベスト」は「これがいちばん良い」とおすすめするニュアンスになります。選択肢を迷っている相手に、自分の中でのおすすめとして提案する際に使うのが適切ですね。

(3)ウォンツ(wants)

「ウォンツ」を直訳するとこういう意味となっています。

ウオンツ【wants】

欲しい物。買いたい物。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「マスト」は「絶対にこれでなければ」と強く相手に提案する言葉ですが、「ウォンツ」は「自分はこれがいいと思う」というように、自分の希望を提案する意味合いになります。

一意見として検討してもらいたいときには「ウォンツ」を、検討の余地がないほどに強く提案したいときには「マスト」という具合に使い分けると良さそうです。

3:ビジネスで「マスト」を使うビジネスシーンと例文5つ

実際に「マスト」という言葉はどのように活用するのでしょうか。「マスト」を使った例文を5つをチェックしてみましょう。

(1)この案件はマストですか?


これは「この案件は絶対に必要ですか?」という意味合いです。同僚や後輩相手であれば、問題なく使用できる言葉ですね。「絶対」という言葉は、人によっては威圧的に感じてしまうので、この言い方に変えることでソフトに伝えることができます。

ただし目上の人や上司、取引先などに使用するには、少し砕けた印象にってしまうので、使う人や場所を考えて使用する必要がありそうです。

(2)○○は今季のマストアイテムです

これは「○○というアイテムが今季の流行で、多くの人が必要としている」という意味合いです。ただのトレンドというよりも「必要」というニュアンスがあるので、少し強めに伝えることができます。

(3)最低でもこれはマスト条件です

これは「絶対に外せない条件」といった意味合いで、優先順位をつける必要があるときに使われることが多いようです。

「マスト条件」は「最も優先順位が高い、他よりも優先されるべき条件」と、ビジネスシーンでも使いやすい言い方になりますね。

(4)この会議への出席はマストです

これは「会議には出席するのが必須」という意味合いです。会議への出席をほかの予定より最優先にするという意味では使いやすい言い方かも。

ただし、「絶対に出席してください」と半ば強制するような印象もあるので、使用する相手などには注意が必要です。

(5)これはマスト事項です

これは「この事項は絶対に遵守しなければならない」という意味合いです。数並ぶ注意事項の中でも特に守らなければならない項目を強調する際に使えます。

「絶対に守ってください」と伝えるよりも「マスト事項です」と伝えた方が端的で、聞いている側もメモを取りやすいというメリットがあります。

4:マストアイテムは英語では通じない!「マスト」は英語でどう表現する?

このようにすっかり定着している「マスト」ですが、実は和製英語。「マスト」だけでは英語圏の人に意味が伝わりません。

基本的には「must」は助動詞であり、「item」といった名詞とは組み合わせません。「必需品」という意味の英語表現は「must-have(マストハブ)」「must-buy(マストバイ)」などが一般的です。

5:まとめ

端的に必要性を伝えられる便利な言葉「マスト」。ただし、あまり多用すると軽薄に聞こえてしまい、本当に「マスト」な案件を重要だと思ってもらえなくなってしまいます。

「どうしてもしなければならない」というシーンを選んで、「マスト」という言葉を使うのがマストなのです。うまく使ってビジネスコミュニケーションを円滑にしましょう。