恋のなやみに効くメディア

生涯未婚率に男女差あり!男性が生涯独身を選ぶ理由ランキング

松田優

松田優Y.Matsuda

©gettyimages

目次

隠す

1:生涯未婚率の推移

右肩上がりで推移している生涯未婚率。これからどうなると予想されているのでしょうか。生涯未婚率の数値と、今後の推移予測を調べてみました。

(1)生涯未婚率とは

社会問題の一環として語られることの多い「生涯未婚率」。これはどういった数値をもとに算出されているのでしょうか。辞書で調べてみましょう。

50歳の時点で一度も結婚したことがない人の割合。45~49歳および50~54歳の未婚率の平均値から算出する。将来的に結婚する可能性が低いと考えられることから、生涯独身者の割合を示す指標として用いられる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「生涯」は一生のことですが、「生涯未婚率」は50歳が基準となっています。50歳を過ぎて初婚で結婚する人もいますが、「ひとつの目安」として50歳が用いられているようです。

(2)2020年の生涯未婚率…厚生労働省のデータによると?

少子化社会対策白書」の推計によると、2020年の生涯未婚率は、男性で26.7%、女性で17.1%という数値。上昇幅も直近の25年と同様の推移となっています。

1985年の国勢調査では、男女ともに5%を切る数値でしたが、1995年ごろから男性の生涯未婚率は約4ポイントずつ、女性は約1.5~3.5ポイントずつ上昇しています。現時点で、男性の約4分の1が「生涯未婚」というのは、意外と多い気がしますよね。

(3)2030年、2040年の生涯未婚率の予測

今後10年、20年の生涯未婚率はどう推移していくのでしょうか。「少子化社会対策白書」の推計では、2030年の生涯未婚率は、男性28%、女性で18.5%。2040年では、男性が29.5%、女性が18.7%となっています。上昇幅こそゆるやかになるものの、約20~30%の人が「生涯独身を貫く」ということになります。

しかし、多様化する社会を鑑み、選択的夫婦別姓や同性婚が認められるなど、法律婚が現代に即した形に変われば、ゆるやかな下降もありうるかもしれません。

(4)女性のほうが低い!生涯未婚率に男女差があるのはなぜ?

女性の社会進出が進み、かつての男性に引けをとらない収入を得る女性も増えています。とは言え、男女間の経済格差が完全にフラットになってはいませんね。

さらに、女性には、妊娠や出産にかかる身体の変化があります。これは女性だけが引き受けるもの。加えてライフスタイルの変化も余儀なくされます。ひとりで産み育てるのは、容易なことではありません。父親である男性との共同生活をする上で、法律婚が必要と判断するケースの多分にあるため、女性の生涯未婚率のほうが低くなると考えられます。

2:メリットがいっぱい?男性が生涯独身を選ぶ理由ランキング9

男性の生涯未婚率の高さには、どんな理由があるのでしょう。『MENJOY』では、20代~30代の男性150名に「結婚したいか、したいと思わないか」というアンケート調査を実施。

そのうち「結婚したいと思わない」と答えた79名の「結婚したくないと思う理由」をランキング形式でご紹介します。

第8位:「まだまだ遊びたい」「ひとりの女性に絞りたくない」から・・・3人(3.9%)

「まだ遊びたい」だなんて、ちょっと浮ついたように感じられる意見です。しかし、「ひとりの女性に絞りたくない」というのは、理解できる部分もあるのではないでしょうか。

20代の前半で生涯の伴侶とする人を見定めるのは、なかなか難しいように感じます。人の価値観は、たくさんの人と出会う中で、磨かれていくもの。その変化を感じている間は結婚はしたくないという考えには頷けます。

しかしながら、さすがに30代も半ばに差し掛かろうという人からこんな意見が聞こえてきたら、正直ちょっと考えてしまいますよね。

同率7位:出会いがない、結婚したい相手が見つからないから・・・4人(5.3%)

そもそもの出会いがなければ、結婚したい相手が見つからないのも当然のこと。出会いや相手を積極的に求めているわけではない、このタイプは「結婚に消極的」と見ていいかもしれません。

また、仕事や趣味に忙しかったり、所属するコミュニティの構成が男性ばかりだったりということも考えられます。

しかし、「わざわざ探すものではない」「運命を信じているから」という意見も見られました。自然発生的にいい人と知り合えたら、とんとん拍子に話が進むタイプとも言えそうですね。

同率7位:責任を負いたくないから・・・4人(5.3%)

結婚=配偶者や家族に対する責任が生まれるということ。どれだけ経済的・精神的に自立していても、「明日何があるかわからない」という懸念は、誰にもあるものです。

家庭を作っていく中で、夫婦ふたりだったところへ子どもが増え、約20年は子育てをすることに。子育てが終われば、相手の親の介護が始まるかもしれません。自分たちの生活だけでなく、親や子への責任も負うことになります。

このタイプは、個々人の関係の中では支え合えても、その相手以外を自分の腕の中に抱える責任を重く受け止めているようです。

同率5位:女性が苦手だから・・・5人(6.6%)

男兄弟ばかりだったり、男子高出身だったりと、同性が多い環境に長く身を置いてきた人に多く見られるのが、「女性が苦手」という意見。「どう接してよいのかわからない」「感覚が違いすぎてついていけない」「扱いが難しすぎる」という声も。

法律婚をすると、相手の女性と過ごすことが日常になります。「女性との関わりを前向きに捉えることが難しい」という理由から、「結婚したいと思わない」のは自然な流れと言えるでしょう。

逆に、姉妹がいる人は苦手意識はないかと思いきや、「実態が見えるからこそ苦手」という意見も聞かれました。

同率5位:お金を自由に使いたいから・・・5人(6.6%)

結婚すると、基本的には配偶者と生計を共にすることになります。さらに、将来のための貯蓄をしたり、資産運用についての考え方もすり合わせたりする必要があると考えると、「自由にお金を使えなくなる」というイメージをもっても不思議はありません。

こういう考え方を「経済的なことをリアルに考えられる」と捉えれば、「お金を自由に使いたい」という意見を「わがまま」と思うのは早合点かもしれません。

第4位:恋愛するのがめんどうだから・・・6人(7.9%)

「現状で恋人や好きな人がいない。けれど、特に求めてもいない」という人は筆者の周囲でも意外と多いです。

相手との連絡やデートの頻度のバランスがうまくとれないと、時間的に大きな負担を被ることになったり、出費が増えたりします。仕事や趣味など、打ち込むことがある人にとっては、それらがめんどうに感じるようです。

現状に恋愛を挟み込む隙がないほど充実しているのは、ちょっと羨ましくも感じますね。

同率2位:経済的な不安があるから・・・10人(13.2%)

結婚してもフルタイムの共働きで生計を共にすれば、抑えられる費用もありますね。しかし、子どもを望むとなると、かかる費用は大幅にアップします。

また、親の世代と比較して、可処分所得が大幅に減額している肌感があり、「親が自分にしてきたことをいまの自分の経済力でできるのかと」不安に思ってしまったり……。「もし相手に何かあっても一馬力で家庭を運営できる経済力が必要だ」と考えると尻込みしてしまいますよね。

同率2位:自分のペースで生活したいから・・・10人(13.2%)

「自分の心地よい生活を守りたい」と考えることは、男女問わずあることでしょう。特に、ひとり暮らしが長いと、「自分の生活パターン」が確立されていきます。長年の習慣になっている生活のリズムを変えるのは大きな労力を伴います。

「現状が快適なのに、わざわざそれを変えてまで人と一緒に暮らすことは選びたくない」という意見が聞かれました。

第1位:現在独身で特に不満がないから・・・27人(35.5%)

ダントツで多かったのが、「現状に不満がないから」という意見でした。女性の社会進出が促され、性別を問わず自立的な生活ができることがよしとされる論調が強まる中で育ってきたのがアラサー世代。

女性が経済力をもったことで、ひとりで生きる選択ができるようになったは男性も同じ。現状を変える必要性を感じていなければ、結婚したいと思わないのも不思議ではないと言えるでしょう。

3:生涯未婚を選ぶかどうかは本人しだい

少子化問題の原因のように言及されがちな生涯未婚率。ですが、尊重されるべきは個人の意思です。幸せの形は十人十色。法律婚も事実婚も未婚でも、自分の人生は自分の意思で、自信をもって選択していきたいものですね。

【参考】

厚生労働省