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証拠能力のある証拠とは?浮気・不倫の証拠の集め方
水野 文也F.Mizuno
1:証拠の類語は?英語で言うと…
まずは、「証拠」の意味を辞書でおさらいしてみましょう。
しょうこ【証拠】
1 事実・真実を明らかにする根拠となるもの。あかし。しるし。「証拠を残す」「動かぬ証拠」「論より証拠」
2 要証事実の存否について裁判官が判断を下す根拠となる資料。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
類語としては「裏付け」や「形跡」などがあります。
また英語で表現するならば、ビジネス会話などでもよく使われれている「evidence(エビデンス)」がこれにあたります。
2:彼の浮気・夫の不倫の証拠の集め方5つ
証拠には強弱があり、浮気の証拠といっても、単に「とっちめてやる!」というときと、裁判に持ち込んで慰謝料を請求するときなど、その目的によって証拠に求められるレベルが異なります。裁判まで念頭に置くのであれば、「肉体関係があった」ことを証明できる強い証拠でなければなりません。
(1)メールやSNSの履歴
相手のスマホやPCなどをチェックする。これはもっとも基本的な証拠集めとなります。チャンスは少ないかもしれませんが、相手がロックし忘れたときなどを狙いましょう。
それらしいやり取りを見つけたとして、「待っててね」「逢えて嬉しかったよ♪」のような馴れ馴れしい表現であっても、それが普通のやり取りならば証拠にはなりません。それでも、同じ相手と頻繁にやり取りしているなら、とっちめる材料くらいにはなるでしょう。
ただ、裁判まで考えると、例えばセックスのことまで書いていたとしても、強い証拠とは言えません。法廷で相手がメールの内容を元に浮気を認めて初めて、証拠として決定的なものになります。
(2)写真
動かぬ証拠といえば、写真に尽きます。いわゆる「文春砲」でも、写真で追い込まれた政治家や芸能人が少なくありません。
写真も本来なら、ラブホテルに入るところなど、決定的なものが欲しいところですけど、毎日尾行するわけにもいかないので、やはり、メールやSNSと同様、パートナーのスマホに保存されたラブラブの写真を探ることになります。
出張だといっておきながら出張先と全然違う観光地で、異性とのツーショット写真でもあろうものなら、その出張が嘘であることを証明する証拠になります。
(3)衣服のニオイ
「テレビドラマの見過ぎじゃない?」と思うかもしれませんが、これが意外にバカになりません。
パートナーの肌着を洗濯するときに、「あっ、ウチの石鹸と違うニオイだ」「私の使っている香水と違う」。こちらも決定的な証拠にはなりませんが、相手を問い詰める材料としては十分でしょう。また、黙ってスルーしてたとしても、この先、より強力な証拠を集めを始めるきっかけにはなりますね。
(4)領収書やクレジットカードの明細
怪しいと思ったら、パートナーが持ち帰った領収書などをチェックしましょう。クレジットカードの明細を見るのもいいです。
レストランや一般のシティホテルであれば、浮気をしているとは限りませんが、ラブホテルや風俗店の領収書やクレジットの明細などが出てきたら、決定的な証拠になります。
(5)興信所の探偵に頼む
筆者の知り合いに興信所の経営者がいますが、業務の大半が浮気調査なのだとか。それほどにニーズは多いようです。
写真のところで、「尾行するのは難しい」と書きましたが、プロを雇えば可能です。ただし、費用が10~30万円程度かかるので、離婚裁判を考えるならまだしも、とっちめるだけならおすすめできません。
3:民事の直接証拠・間接証拠の意味は?3つ
(1)直接証拠
言い逃れができない事実を直接的に示す証拠のこと。例えば、浮気に関してそのときの行為やキスしている現場を撮った写真など。裁判官も迷わず、クロと判定できます。
(2)間接証拠
状況証拠ともいいます。直接証明することはできないながら、推認するのに用いることができる証拠のことで、ラブホテルの領収書などはこれにあたるでしょう。
ただし、「何もやましいことをしてないし、部屋の中で打ち合わせをしていただけ」と、苦しいながらも言い訳ができるので、裁判にした場合、扱いは裁判官の心証に左右されやすくなります。
(3)補助証拠
決定的な直接証拠があっても、写真などの場合、細工などが簡単にできるため、真贋が問われる場合があります。
そうしたときに、信憑性を高めるために使われるのが補助証拠。例えば、ラブホテルに入る写真があった場合、そのラブホテルの領収書があれあ、それは補助証拠となり、事実として決定的なものになります。
4:非供述証拠とは?
ある事実について、人の供述によって示す証拠を供述証拠と言います。例えばホテルの従業員が「ああ、あの人なら、水商売風の女性とおいでになりましたよ」と証言すれば、これは供述証拠。
そうでない書面などの証拠は、非供述証拠となります。
5:証拠金・証拠金維持率とは?
証拠という言葉は、浮気などのシーンだけではなく、さまざまなところで使われるのはいうまでもありません。
よく聞く「証拠金」という言葉は、株式投資の信用取引やFX取引などで、担保として取引業者に担保として預けるお金のこと。こうした取引の場合、100万円分買うのに全部を貸してくれることはなく、30万円、50万円と決まった額を預けなければなりません。
つまり、形としては、100万円分を買うために、ある程度のお金を証拠金として用意し、足りないぶんを業者から借りて行うことになります。
一方、証拠金維持率というのは、取引をするのに、担保として最低でも差し出す必要がある比率のこと。常に、最低でも維持しなければならないので、読みが外れて比率が維持できなくなった場合は、追加の証拠金を差し出す(追い証と言います)必要があり、場合によっては大損してしまいます。
6:まとめ
筆者の子どもが小さかったころ、いたずらをして筆者の財布の中のものを外に出してバラバラに……その中に、東京の赤羽にあるキャバクラの領収書が混ざっていて、片付けた家内が「何、これ?」と発見!
別に浮気をした訳じゃないのですが、それからしばらくの間、その財布は我が家で“赤羽財布”と呼ばれたのでした(笑)。ということで、領収書というのは言い逃れるのが難しい、強めの証拠になります。