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「養生してください」の意味わかる?使えるシーンと言い換え表現

松田優

松田優Y.Matsuda

目次

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1:養生してくださいの意味は?

「養生してください」という言葉はよく聞くし、なんとなく使っているという人もいるのではないでしょうか。使えるシーンや言い換え表現をチェックする前に、「養生」という言葉の意味を調べてみましょう。

よう‐じょう〔ヤウジヤウ〕【養生】

[名](スル)

1 生活に留意して健康の増進を図ること。摂生 (せっせい) 。「酒やタバコをひかえ、つね日頃から養生している」

2 病気の回復につとめること。保養。「転地して養生する」

3 打ち込んだコンクリートやモルタルが十分に硬化するように、低温・乾燥・衝撃などから保護する作業。

4 家具の運搬や塗装作業などの際に、運搬物や周囲の汚損を防ぐために布や板などで保護すること。「養生シート」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

漢字から予想がつく人も多いと思われますが、人に対して使うときは、健康に対する意識を高める意味が強いです。「生活習慣を見直すことで健康維持につとめること」、「病気から回復する」という意味で使われる言葉です。

モノに対して使う場合、「周りの衝撃から防ぐ」という意味で使われます。ホームセンターなどで販売されている「養生シート」は、家具などを保護するために取りつけるアイテムです。

2:「養生してください」が使えるシーンと使い方4つ

「養生」の意味をふまえて、実際に「養生してください」という言葉が使えるシーンと、実際の使い方を挙げていきます。

(1)病気・ケガで治療中の人に対するお見舞い

病気の治療をしている人に対して、お見舞いの気持ちを伝えるときに使えます。「養生してください」という言葉を使う、もっともポピュラーなシーンだと思われます。具体的には、「病気で入院されたと聞いて驚きました。ゆっくり養生してください」というように使います。

病気だけではなく、ケガの治療中の人に対するお見舞いの言葉としても使えます。「ケガの具合はいかがでしょうか。焦らずゆっくり養生してください」というように、使い方は病気のお見舞いと同じです。

(2)相手の健康を気遣うための表現

相手の健康を気遣うときも、「養生してください」という表現を使うことがあります。相手の体調が悪そうに見えるときは「顔色がすぐれないようですが、無理をせず養生してくださいね」といって休養を促すといいでしょう。

病気やケガをしていなくても、相手の健康維持を願うために使うケースもあります。例えば、「毎日暑いですね。体調を崩さないよう、養生してください」など、あいさつと健康への気遣いを兼ねた使い方ができます。

(3)病気・怪我から回復した人への気遣い

病気・ケガの治療中だけではなく、回復した人への気遣いにも「養生してください」という言葉が使えます。とくに病気の場合は、回復したあとも体調が戻りきっていないケースがあるので、治ったからといって無理をしないでほしいという意味で使うのがベターです。

例を挙げると、「退院おめでとうございます。しばらくは無理をせず、養生してください」「まだ本調子ではないかと思われるので、養生してください」という使い方があります。

(4)「療養に専念してほしい」という意味で使う

病気やケガを理由に、仕事を休まなければならないケースもあります。仕事のことが気がかりであろう相手を気遣うときにも、「養生してください」という言葉を使います。

例えば、職場の同僚や部下が休んでいるときに「○○さんのぶんも仕事を頑張るので、安心して養生してください」と伝えれば、相手も安心してゆっくり休めるでしょう。ただし、相手が上司など目上の人である場合、そのまま「養生してください」と伝えるのは、後述の理由で失礼にあたる可能性が高いです。

3:目上の人にも使える?「養生してください」の敬語表現は?

「養生してください」はていねいな表現。なので、誰にでも使えると思うかもしれません。しかし、実は「養生してください」は敬語ではないので、そのままの表現で目上の人に使うと、失礼にあたる可能性があります。

「養生」という単語そのものは問題ないので、目上の人に対しては「ご養生ください」とか「養生なさってください」など、正しい敬語に言い換えることを心がけましょう。また、相手が取引先の人である場合も、敬語を用いることが原則です。

4:「養生してください」と同じ意味で使える言い換え表現5つ

「養生してください」という言葉は、別の表現に言い換えることもできます。主に使われる類語を5つピックアップして解説します。

(1)ご自愛ください

ここで言う「自愛」とは、自分の健康状態に気を配ることで、自分自身を大切にするという意味をもちます。「ご自愛ください」という表現は敬語でもあるので、目上の人に使っても失礼にあたりません。「養生してください」よりもシーンを選ばない、言い換えやすい表現です。

(2)お大事になさってください

病院で診察を受けたあと、「お大事になさってください」と言われることが多いと思います。「大事」という言葉はさまざまな意味をもちますが、ここでは「大切に扱う」という意味で使われます。自分の体を大切にして、健康維持につとめてほしいときに使います。

省略形で「お大事に」ということがあります。身近な友人や親族などに使うのは問題ありませんが、上司など目上の人に対して使うのは避けましょう。

(3)無理をなされないでください

親しい友人や親族が病気にかかったとき、「無理をしないで休んで」と言ったことがある人もいるでしょう。この表現も、「養生してください」の類語にあたります。

一方、そのままの表現では敬語にならないのも同じです。目上の人に対しては「無理をなされないでください」という表現に言い換えれば、失礼な表現になりません。

(4)お労りください

「労る」という言葉には、「養生」と同じ意味が含まれます。よく「お年寄りを労る」という表現が使われますが、実際には相手の年齢は関係ありません。病気やケガの手当てをしたり、気遣いをもって世話をしたり、親切に接したりするときに使います。

「お労りください」という表現は、自分自身に労りの心をもって養生してほしいという意味の敬語です。親しい相手はもちろん、目上の人にも使えます。

(5)ご静養なさってください

病気やケガの症状が重い人に対しては、「ご静養なさってください」と言うこともあります。「静養」とは、体も心もゆっくり休めることで、病気などから回復することを差します。

例えば入院や手術が必要なほど重い症状の人に対して「ご静養なさってください」と伝えることで、ゆっくり休んでほしいという気持ちを表します。これまでご紹介してきた言い換え例のなかでも、とくにお見舞いの意味が強い言葉です。

5:まとめ

誰もが健康であることがいちばん。ですが、いざというときのために「養生してください」の正しい使い方をマスターしておきましょう。