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期待に添えるとは?「期待に添う/沿う」の意味、類語、例文を紹介

水野 文也

水野 文也F.Mizuno

目次

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1:「期待に添える」とは?

(1)「期待に添う」「期待に添える」の意味

「期待に添う」「期待に添える」は、ビジネスシーンでも使う頻度が高い言葉です。

「期待」の意味は解説するまでもないでしょう。「添う」「添える」は「何かに付け加える」「一緒に行動する」「人と密接な関係を築く」などの意味があり、「期待に添える」は「期待された内容に寄り添う」といったニュアンスになります。

相手が何か要求してきた場合に、そのとおりにできるなら「期待に添える」、できないなら「期待に添えない」といったように表現します。

(2)「期待に添う」と「期待に沿う」

「期待に添う」と「期待に沿う」はどう違うのでしょうか?

「沿う」は「従う」や「はずれないようにする」「流れに従って動く」などの意味があるため、「期待に沿う」は「期待された内容にぴったり従う」「期待からはずれないようにする」といった意味になります。

「内容に寄り添う」という意味の「期待に添う」よりも、「ピッタリ期待どおりになる」という意味で、強めのニュアンスがあります。とは言え、意味としてはそれほど大きく変わらないと考えていいでしょう。

(3)「期待に添う」の類語

「期待に応える」が類語としてすぐに思い浮かぶでしょう。意味は「相手の望みに見合った結果を出すこと」。「期待に添う」が要求に添うといった受動的である一方、「期待に応える」は自分から「積極的に動く」「働きかける」といったように能動的となります。

なお、「期待に答える」は誤用となりますので注意しましょう。

(4)「期待に添う」を英語でいうと?

「期待」は「expectation」で、「誰々の期待に添う」は「meet one’s expectation」となります。

例文としては、以下のとおり。

I will probably meet your expectations.

「あなたの期待に添うでしょう」

2:「期待に添う」の例文3つ

(1)ご期待に添えますよう、より一層のサービスを拡充させて参ります。

ビジネスシーンで、顧客のニーズに合わせたサービスを提供する際に使う、代表的な使用例です。「添え」を「沿え」に代えてもかまいません。より能動的に「応える」にも置き換えは可能ですが、その場合、「応えられますよう」とします。

(2)ご期待に添えず、申し訳ありません。

もしかしたら、これがビジネスシーンでもっとも使われる表現かもしれません。相手から何か要望、要求があって断る場合の常套句と言えるでしょう。

例えば、注文を受けた相手に対して在庫がないために断る場合に、ストレートに「注文は受けられません」と言うと、トゲトゲしいですよね。そこで、「ご期待に添えず」とすれば、やわらかなトーンになります。

(3)慎重に協議致しましたところ、残念ながらご期待に添いかねる結果となりました。

ひと言でいうと「お断り」ですが、「添えず」と記すよりも「期待や要望を叶えたいと思っても叶えることができない」という意味が込められ、相手に対してていねいに述べるときに「添いかねる」と表現します。

「期待」を「希望」に置き換えて、「ご希望に添いかねる結果となりました」もほぼ同じニュアンス。そう、就活などの「お断り」でおなじみの表現です。「あなたは採用しないよ」という意味にほかならないのですが、相手のことを慮り、ていねいにお断りするときにこの表現を使用します。

3:まとめ

「ご期待に添えるように努力します」と肯定的に使うときでも、「添える」だと消極的なイメージで、状況によっては「こいつ、最初から断るつもりだな」と思われかねないので、本当に「期待に添う」つもりでいるなら、よりポジティブな「応える」を使ったほうがいいかもしれません。

今回の記事は、あまりおもしろくなかったかもしれず……ご期待に添えず申し訳ありませんでした。