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完璧主義をやめたい!完璧主義な人の特徴と脱却方法
平松隆円R.Hiramatsu
目次
隠す1:完璧主義やめたい…完璧主義者はうつになる?
完璧主義(perfectionism)の精神的な健康への影響については、心理学をはじめとして多くの研究があります。例えば、抑うつ、不安、強迫症状、摂食障害などが、完璧主義の人には見られる場合があるといわれています。
完璧主義の人は、ただ「やるべき仕事でベストをつくせばいい」と考えているのではなく、「実行不可能な水準まで自分自身で要求してしまう」ことがほとんど。そのため、実際のところは、完璧を達成することは難しく、自信をなくしたり、自分はダメな人間なんだと自己批判してしまうことで、抑うつ、不安、強迫症状、摂食障害などがおこってしまうといわれています。
2:完璧主義の女性はモテない?完璧主義な人の特徴3つ
さて、完璧主義な人にはどんな特徴があるのでしょうか。女性の場合、恋愛において不利になりそう……と考える人も多そうです。
(1)自分に対する高い要求水準
いちばん大きな特徴は、上述したように、実行不可能な水準まで自分自身で要求してしまうことです。周りからすれば、「そこまでしなくてもいいのでは?」というくらいに、自分を追い込んでしまいます。
わかりやすくいえば、100%の達成ではなく、120%の達成じゃないと満足できないということ。100%でいいにもかかわらず、それだと達成したことにはならないのが、完璧主義の人の特徴です。
(2)成功よりも失敗したことに注目してしまう
120%の達成というのは簡単なことではありません。仮に100%達成していても、完璧主義の人は「100%達成できてよかった!」と考えるのではなく、「どうして、あと20%達成できなかったんだろう」ということに注目してしまうのです。つまり、成功よりも失敗したことばかり考えてしまうんです。
(3)自分を批判しがち
自分が設定した120%の目標を達成できなかったことで、完璧主義の人たちは自分に自信がもてません。仕事だけではなく、家事などの日常生活含めて、自分がダメなことばかり考えてしまい、いつも自分を批判してしまう傾向にあります。
3:完璧主義をやめたいのに…完璧主義者の心理3つ
ところで、完璧主義に陥ってしまう原因や心理的背景を考えてみましょう。
(1)間違うことへの心配性
完璧主義な人の心理的背景のひとつに、間違いを犯すことへの心配がいわれています。例えば、取り組んでいる仕事で自分がやっていることが正しいのか間違っているのか不安になってしまい、「ちゃんとやらないといけない」と考えてしまうわけです。
普通の人なら「まぁ失敗しても、誰か助けてくれるだろう」とか「とりあえず、やってみるか」と思って取り組みます。しかし、「失敗したくない」という気持ちが強すぎるあまり、「ちゃんとやらないといけない」となってしまうわけです。
(2)自分の行動に対する自信の欠如
失敗したり、間違いを犯すことへの心配は、自信がないことの表れでもあります。自分に自信があれば「これで、いいんだ!」と突き進むことができます。
ですが、自分に自信がないと、正しいのか間違っているのかがわからなくなり、指示されたことをちゃんとやろうとか、それ以上に成果をあげないとと思ってしまうんです。
(3)努力することが好き
「間違いを犯すことへの心配」や「自分の行動に対する自信の欠如」はネガティブな部分ですが、ポジティブな部分で考えれば「努力することが好き」ということもいえます。
努力して、相手の期待以上の成果をあげようとか、自分はもっとできるはずだと高い目標を設定してしまうわけです。この部分で完璧主義であれば、抑うつ、不安、強迫症状、摂食障害などになることはないかもしれません。
4:完璧主義診断テスト
心理学の研究などで完璧主義かどうかを調べるテストに「Almost Perfect Scale―Revised(APS-R)」というのがあります。それを参考に、簡単なテストを作ってみました。あなたはどうでしょうか。
1.仕事や学校での高い成果を望んでいる
2.なにごとも、もっとがんばりたい
3.できる限りベストをつくしたい
4.ベストをつくしても、満足できないことが多い
5.計画を立てて物事を実行したい
6.物事を中途半端にしておくのがいやだ
7.自分の考えていた目標を達成できないで、いらいらすることが多い
8.きちんと片づけをしたい
本来は、30項目くらいあるテストなので、完璧主義かどうかをちゃんと調べるには8つでは少ないので、簡易版と考えていただいていいでしょう。あてはまる数が多いほど、完璧主義な傾向があるといえます。
5:完璧主義は辛い…完璧主義から脱却する方法3つ
最後に、もし自分の完璧主義がいやだという人がいたら、どうすればなおすことができるのか考えてみましょう。
(1)成功したことに注目する
成功よりも失敗したことに注目してしまうのが、完璧主義の人の特徴。なので、失敗ではなく成功に目を向けるようにしましょう。言い換えるなら、減点方式から加点方式に物事の考え方を変えるのです。
(2)自分のダメな部分を受け入れる
世の中に物事を完璧にこなせる人はいないと考え、自分も失敗して当たり前だと、ダメな部分を受け入れるようにしましょう。自分ではダメだと思っていても、世間からすればダメではないということは、往々にしてあるものです。
(3)目標達成を、いわれた水準に設定する
例えば、仕事で100%の水準を指示されたら、100%で完了するようにしましょう。確かに、100%の目標を120%で仕上げたら、頼んだ人は喜んでくれるかもしれません。ですが、それがいつものことになると疲れてしまいますよね。
6:まとめ
「物事を中途半端にしておくのがいや」とか「できる限りベストをつくしたい」というのは、悪いことではありません。ですが、そういうことばかり考えてしまうと、本当に疲れてしまい、精神的な健康にはよくありません。物事をほどほどに取り組むことが大事なんです。